子どもたちに座席を決めさせるには,どのような考え方がありますか。
【答え】
隣に並ぶ友達を決めるなど,小さいところから任せてみましょう。
【なぜ】
座席決めは子どもにとって魅力あることです。
「席替えをします」の声かけには大きく反応します。環境が新しくなることへの期待です。誰と並ぶのか,どこの席に座るのかは子どもにとって大きな問題なのです。しかし,座席は指導の基盤ともなることですから,意図的なものです。何もかもを子どもに任せるわけにはいきません。
例えば誰と並ぶか,子どもに任せると当然仲良しの友達を選びます。一日中一緒で楽しいでしょうが,話に夢中になるなど学習への集中は難しくなります。また仲良しどうしでの班づくりでは,いい意味での仲間意識を育てることにつながる場合もあれば,行動や思いに偏りが出ることもあります。任せる=自由ではありません。約束を決めて取り組みます。
【方法】
まず一番小さい単位である,「誰と並ぶか」だけを任せてみましょう。
大切なことは,決める前に約束を知らせておくことです。
- これまでに一度も一緒に並んだことのない友達。
- できるだけ男女で組む。
- 仲間外れをつくらない。
二人組みができたら,背の高さや視力など身体的なことを考慮しながら,座席を決めていきます。班での仲間も偏りがないかを確認しましょう。子どもどうしのかかわりに問題がなければ,この状態で一週間ぐらい様子をみます。気になる問題が見えた場合はすぐに席を替えるなど,子どもの気持ちに寄り添う対応をしましょう。
さらに,子どもが育っていると感じられるときには,座席そのものを選ばせることも考えられます。自分で自分の座りたい座席を選ぶ方法です。そのときには,今まで座ったことのない座席に座ることや背の高さを考え,高いけれど前に座りたい場合は端の席を選ぶなどの約束を決めておきましょう。
前に座りたいか後ろに座りたいかなど好みが偏ることもあります。教師と関わりたい子どもは前の席に,そうでない子どもは後ろを選ぶ傾向が見られます。座席決めは子どもの気持ちを知る手掛かりの一つにもなります。