週案の書き方と活用法について教えてください。
1 月日と曜日を正確に記入します。
配布された資料をそのまま活用する方法もありますから,そこは自由にしてください。
しかし,ここでのポイントは,月日や曜日があっているかを確認することです。
「何だ。そんなこと」などと侮ってはいけません。昨今,配布資料は前年や前回の資料を加除訂正するだけで提示されるものがほとんどです。アナログの時代と違い,自分で調べる・確認する意識が薄れ,効率的ではありますが正確性に危うさを感じています。
例えば,運動会の日にちや曜日を前年のまま保護者に配布して混乱を招いたこともあります。運動会は当日の日程だけでなく天候等による順延や変更,授業日等の変更などいくつもの関わりをもった予定です。どれだけ多くの方々に,大きな迷惑をかけたかは図り知れませんでした。
また,学校行事と学年の校外学習とが重なり,給食や手配した交通機関との契約に多大な迷惑を掛け,思わぬ支出にもつながってしまったということもありました。
このように,月日や曜日が間違っていると全ての計画や見通しが無駄になるだけでなく,子どもたちを戸惑わせてしまい,子どもたちや保護者と,学校との信頼関係に大きな影響を及ぼすことは言うまでもありません。
信じられないことですが「資料を確認する」という,ごく初歩的なことが効率化の陰で漏れているのです。単純にミスと片付けることはできません。このような行為は,子どもたちへの「指導観」として指導にも表れてきているのです。丁寧に着実に物事に取り組む姿勢をもちましょう。
2 行事を「必要時間」とともに記入します。
学校行事だけでなく学年や学級での小さな集会的なものまで記入しておきます。ここでのポイントは「時間」を記入することです。必要な時間数を記入することで,その日一日の学級でのも時間,つまり「使える時間」を正確に把握することができ,計画倒れにならずにすみます。計画は確実に実現に結び付き「結果を出す」ためのものだと実感できます。
時間を計上していないと教科の指導時間にずれが生じ,計画は立てたけれど結果は出せないという残念な結果になってしまいます。さらに,結果に結びつかなかったことは,計画を立てることを無駄と感じ,それまでのように「その日を過ごすことだけ」になり,忙しく追われてきたにも関わらず,年度末に指導の充実には至らなかったと後悔する声を多々聞きます。
「一年ひと昔」と言われるほどの速さで世の中が変化している時代です。「時間」を管理することは,指導者として見逃してはならない指導を充実させるための重要な要素だと考えます。
3 とりあえず時間数の多い教科から「題材名と内容」とを記入します。
ここでのポイントは,指導計画通りに一題材分全てを時間割通りに記入していくことです。内容の記入は二週間分だけは詳細に,あとは題材名だけにとどめても構いません。
なぜなら,実際の授業では,その日の子どもの状態によって計画通りには進まず,計上した時間数にずれが出ることがあります。健康面や落ち着きなど学習に集中できるかどうかは,日によって違うからです。計画はあくまでも見通しであり,一番大事な点は子どもに力をつけることです。変更への柔軟な考え方も必要です。
また,最近では天候による登校の変更など,急に予定が変わることもあり,学級では対応しきれないため計画にずれが出ることがあります。計画は見直しや加除訂正が常にあると考えておきましょう。
週案は月日と曜日を正確に記入すること。使える時間を正確には把握すること。そして,題材等学習における大きな時間の区切りのあるもので全体の見通しをもつこと。これらを活用して,子どもに力のつく結果の出る仕事に結びつけましょう。