指導について「調べる」,「同僚や先輩に聴く」など,手を尽くして解決にあたっても結果に結びつかないことが多くあり悩んでいます。
【答え】
「調べる」,「聴く」ことだけに頼らず,「自分で考える習慣」をつけましょう。
【なぜ】
調べて聞いて実践してみる。確かに解決への手立ての一つです。しかし,情報は一般化されている内容が多く,必ずしも求める内容に適しているとは限りません。
なぜなら,調べて手に入る情報の多くは,誰にでもどのような実態にも合うよう,ある意味一般化されています。しかも,他の人の見方や考え方であり,どの事象にも適切かというと難しいところです。
例えば,言葉の意味など共通化が図れるものでも,編者により解釈には微妙な違いがあります。特に社会の変化が著しく速い今は,言葉の意味だけでなく言葉そのものも多様化しています。したがって調べてわかることは,著者や編集者の解釈や考えであり,自分の考えではありません。調べたことが全て正しいでしょうか。この場合の正しいとは自分が知りたい,学級の実態に即した適切な答えであるということです。
ですから,情報とは答えではなく,自分の考えをもつためのヒントであり,考えを広め深めるための資料だという意識をもつことです。
余談ですが,美味しいお店と紹介されている情報があふれています。多くの人がいいねと言っても,果たして自分の好みに合うかどうかは,わかりません。お店の場所や内容は情報として得ても,実際食事をするか,口に合うかは,食べて自分の直感や実感で決めるのが正解と私は考えます。
情報は自分の考えをもつための資料と考えましょう。
【方法】
「情報を生かし自分の考えをもつ。わかっていてもうまくいかない。」とある先生のつぶやきです。よく聞いていると,その原因の一つともいえる陥りやすい点がありました。それは情報ばかりに目が行き,自分の知りたいことを焦点化しないまま「調べる」に頼ってしまっていたのです。
調べることに重点がかかっていると,案外知りたいことが大まかで曖昧なまま答えを探しているなんてことがあります。この状態で情報を探すと曖昧で,どの事象にも当てはまるような情報しか目につかないのです。
知りたいことは何かを焦点化し,具体化していくことで求めていることに近い情報が見つけやすくなります。
まずは,自分の知りたいことに絞りをかけましょう。多くの情報から必要な情報を見つけることができるようになります。そこから「だから自分の場合にはどのようにするのが望ましいのか」と自分の考えをもちましょう。
「調べる,聴く,そして自分で考える習慣をつける」。この積み重ねが必要な情報を見つけ,それを生かして自分で考える力をつけることにつながるのです。「調べる,聴く」から「自分で考える」にシフトしましょう。