初めて研究主任になりました。先生方の中に研究に対する温度差があり,困っています。
【答え】
子どもの姿で示して,先生方の意識を変えていきます。
【なぜ】
言葉での説明も,じっくり話し合い考えることも研究の方法ですが,理解して実践してもらえるまでには時間がかかります。授業にはいくつもの側面があり,力をつけるための研究には多角的で多様な点や面があります。ですからそれを全員が正確に理解し,実践に取り組むには難しさもあります。
しかし,教師の仕事は授業で勝負と言われるほど,授業について考えることは仕事の核なのです。にもかかわらず残念ながら,「そうは言っても」と背を向ける人がいることも現実です。
研究に対する温度差の理由を考えると,それは多様です。
大人は一歩踏み出すまでに時間がかかります。また,今の自分に疑問を感じることなく踏み出さない人もいます。取り組んでも果たして自分は変われるのだろうかと不安を感じる人もいます。さらに変わる自分をイメージできないこともあります。研究することで変わるのは子どもと先生です。しかし,先生が変わるには難しさが山積みです。変われるのは「子ども」なのです。
研究する重要性やその意味を子どもの姿で示すことが,どの理由の先生にも「わかる」ことなのです。
【方法】
「どうしたらそういう子どもに育つのですか。」
若い先生方から一斉に手が挙がりました。研究授業後の研究会でのことです。授業を通して子どもの姿を見たからこそ,挙がってきた手や声なのです。
それまでは,どのように説明しても力説しても「聴く力」をつけることへの理解や共感は低いものでした。
百聞は一見に如かず。子どもの姿で示すことが一番の近道です。
意欲的に楽しそうに学習に取り組み,お互いを認め合い,高め合い,力をつけていく姿をみれば,どのような考えの先生にも,授業者のこれまでの取り組みが子どもに力をつける考え方であり,その方法であることは明確に伝わります。
地道な方法ですが,これが一番の近道なのです。
先生方を変えるには,時間はかかります。私は着任したての学校で取り組み,学校全体を変えていくのに二年間かかりました。
しかし,この取り組みを積み重ねていくと,必ず共感する人が出てきます。少しずつ仲間が増えてきます。
自分の考えから「ぶれ」ないで「強く・明るく・元気よく」子どもたちと自分のために力を尽くしましょう。