係のコーナーが雑然としてきました。片付けられない子どもが増えているようにも感じ,指導に悩んでいます。
【答え】
子どもが把握できる物の数を決めるなど,「片付けやすい仕組み」を指導します。
【なぜ】
よくみられる傾向は,片付け方を指導しても,時間が経つと物があふれてきて,元の山盛りに戻ってしまうことです。片付けた状態を保つことができないのです。
理由は二つ考えられます。
一つは使ったものを元に戻していないこと。もう一つは物が多すぎて,手に負えなくなることの二つです。
どこに何を置くのか,初めに置き方を指導していても子どもの様子を見ていると,使った場所にそのまま置いてきてしまっています。元に戻す習慣が身についていない子どもが多くなってきていると感じます。使った場所にそのまま置いてしまうのです。しかも残念なことに,このような行動をしている子どもは,いつも探し物をしていて「○○がない」が口癖です。片付けることそのものが理解できていないのです。
一方,戻すことができている場合にも,カラーペンや折り紙などは多くの数を置きがちで,いつの間にか入れ物からあふれています。子どもが把握できる数を超えているからです。子どもにとって,戻しにくく,仕舞いにくいためです。
係活動の活動場所では,個人の机の中の整理整頓方法をもとに,公共の場の整理整頓を学びます。種類も数も一人の時より多くなります。しかも友達,自分以外の人も使うのです。それだけに「何を」「どのように使うのか」そして「どのように片付けるのか」まで考えて「使う・片付ける・次に使える」仕組みをつくることが大切なのです。子どもができることを踏まえて,学びの場をつくる意識をもち工夫します。
【方法】
《片付けやすい仕組みを作ります》
○置き方を見直します。
子どもが取り出しやすくかつ戻しやすくするには,一つの箱に一種類と決めます。種類は共通に使うものだけに絞ります。高さのあるものは後方に,低い箱は手前に置きます。二列ぐらいに収めた方が子どもから見やすいでしょう。置き場所の広さは,物を置くことと作業をすることの両方を考えて決めます。児童机4つ分を組み合わせたくらいが使いやすいと考えます。
○置く数量を決めます。
入れ物に余裕を持って入るだけ,カラーペンなら一箱12色。画用紙や折り紙などは5枚など,『切よく覚えやすい数量』が適切です。
○約束を決めます。ここが肝心です。
用具類の補充や保管は教師がします。必要なときには先生に申し出るよう約束します。このとき大切なのは,使い方を振り返り本当に必要かを考えさせることです。「何に,どのように使いましたか。」と問いましょう。曖昧なときは,本当に新しいものが必要かを再度問い直し,今ある物を使い切る,生かすよう指導します。物を大切に使う心や見通しをもって物を使う力を育てることにつながります。
係活動は,週ごとや月ごとなど,決まった「時間」に決めた「何か」を形にしていく活動です。物が使いたいときに,いつでも使える状態になっていると活動は活性化します。そのためには,仕組みの大切さを学ぶという意味があることを意識して指導に取り組みましょう。