☆コラム 今こそ学年主任や経験者の役割を考えましょう。
初任者や経験の浅い人たちからの困りごとで多くみられるのは,学年主任や経験者の方々との付き合い方についてです。
先輩方からたくさんの教えを受け,成長している方々もたくさんいます。しかしなかには,同僚や管理職から見えないところで悩み離職していく方も多いのが現状です。時代の流れや社会の変化の速さにより,教育の世界も生きにくい場になっていることも事実です。
こんな時代や社会だから,今こそ,学年主任や経験者の役割を考えましょう。
知っていること・わかっていることはみんなで分け合い,教師としての力を高め,自信をもってお互いの力を存分に発揮できる学校をつくっていきましょう。
以下は実際に寄せられた声です。
○ご自身の経験を押し付けられる。
○初任者や経験の浅い人たちの考えを否定する。
○「今」に特化した考えや資料を求めても,昔はこうやって来たと自分の経験から出ない考えを押し付けられる。
○他の学年や他の経験者との交流を阻む。
○困りごとを相談すると,自分で考えればと突き放される。
○保護者との面談で学年としての考えを説明してほしくて同席をお願いすると,年休を取るなどして放任される。
○保護者に担任の悪口を言う。
これらは実例です。このいくつかは,私自身も若い頃経験した実態です。
いまどきこのような実態があること自体,厳しい言い方ですが時代遅れと言わざるを得ません。
今,時代は「チーム学校」です。ヒーローではなく学校の職員全員が互いに高め合い力をつけて学校として教育に取り組むことが見直されている時代です。
卒業時,6年生を学校教育目標の達成した姿に育てるためには,1年生ではどのような力をつけることが重要か,この考え方を学校全体で共有し,各学年でのカリキュラムを作成します。そして,各学年が実践し積み重ねていくことで,6年生での姿として育てていくのです。
そのためには全員が考え方を共有し,知っていることわかっていることは分け合い,学び合い・高め合う教師集団になることが重要なのです。
自分の学年に縛ったり,原体験に甘んじたりしているのは,教育の専門職とは言えません。
経験者も学年主任として命を受けた方も,経験の浅い人,力がつかず困っている人を育てる,時には守る。その意識をもって自分の役割を考える,今その時と強く感じています。