座席が全員黒板向きです。互いに聴き合う,高め合う授業は難しく困っています。
【答え】
これまでの学習の約束を一時的に変更しましょう。
【なぜ】
子どもたちの安全確保のため,今はこの座席での対応が重要です。
互いの声が聴き取りにくく,聴く必要が薄れてしまい学習が散漫になりがちです。子どもたちの聴く力を育てるために繰り返さないこととしてきましたが,聞こえないことに対して今は大きな声を出すこともできません。
そこで「一度しか言いませんよ。」「子どものつぶやきを繰り返さない。」などの約束や指導方法を今の状況に合わせて変更・工夫する必要があるのです。正論がいつも正解ではありませんね。時々の状況を見極めてその時の最善を考え出すことが大切だと考えます。
【方法】
お友達の話が聴こえないと学習がわかりにくくなります。ですから,今は先生がお友達の話やつぶやきを繰り返して皆さんに聴こえるようにします。今だけですよ。皆さんもできるだけ自分で聴こうとしましょう。と約束の変更を理由と共に知らせましょう。(☆は座席の有用性についての追記です。)
☆座席の有用性
座席にはいくつもの有用性があります。その一つが互いの学び合いを支援することです。
今は安全上,常に黒板側に向いた座席の形ですが,子どもの座席の固定化が気になります。
いつも前の席の子ども。いい意味での緊張と先生との近い距離間による安心感。また,わからないことなどに気付いてもらいやすく,何かと優位な座席です。
反対に後方から2・3列目などの内側の座席の子どもは見逃されがちではありませんか。子どものそばに行くこともあまり望ましくない今の状況では,先生の位置も黒板の前に固定化されがちです。すべての子どもへの指導や支援は十分とは言えません。ましてや,先生との心のつながりは難しいのです。
そこで,席替えも必要ですが先生の立ち位置も,後ろに立つ,教室の側面側に立つなど変えてみましょう。「先生が自分のそばに来てくれた。」「忘れられていない,よかった。」と安心します。そして,見逃しているかもしれない子どものよさや指導を必要とする内容なども見えてきます。固定概念にとらわれない柔軟な姿勢を意識して指導の工夫をしていきましょう。