若い人が育たない現状に,「なぜ」を繰り返しながら解決策がなく困っています。
【答え】
経験値など「知っていることはみんなで分け合う」を実践しましょう。
【なぜ】【方法】
若い人たちの困り感は具体的な指導や支援について,「知らないこと」です。知らないから自分で考えようとしても,経験は少なく支援・指導も十分にできないのは当然です。
立場を変えて子どもたちの指導を思い起こしてみましょう。子どもたちは既習の学習を使って自分の考えをもち,習得していきます。知らないことは指導として教師から教わります。
教えるのは指導。知っていることをさらに高めるには支援。しかし,大人になるとすべてわかっているかの如く,特段の支援や指導もなく(研修はありますが具体的な指導に結び付くには経験や時間が必要です。すぐに役立つとは言い切れません),経験の多い教師と同じ土俵に立つのは難しいのです。
互いに知見でよいのです。些細なことでも知っていることや実践していることを伝えましょう。まずは「習う」から自分で考えるにつなげます。もちろんその際には単に経験のすべてを語る必要はありません。ここで重要なのは,指導に役立った成功例だけではなく,失敗談が重要なのです。
私は数々の失敗をしてきました。そのためなぜ失敗したのかをその都度考え,次の指導に役立てることができました。ですから,成功と失敗という,二方向の内容が重要なのです。
なぜ成功したのか。ここでの成功とは子どもの指導に役立ち資質・能力の育成という結果を出せたということ。失敗とは時間をかけて実践しても結果として育成に結び付くことがなかったということになります。
子どもたちの姿から,よりよい指導や支援を考えることを積み重ねてきましたが,そこには数々の失敗がありました。若い人たちには,失敗談が多く役立ちました。なぜ失敗してしまったのか。原因を考えることを通じて,子どもの見取りの視点に気づくことができます。子どもをじっとよく見ることの重要性に気づきます。さらに一人一人は違うということに気づきます。子どもを見取る視点に気づき見取る力量がついてきます。そして,解決するために何をどのようにするのか」解決策を考える力もついてきます。
このように経験を語るということにとどまることなく,ゴールは若い人たちが自分の考えをもち実践していく力量をつけることです。ですからどのような経験においても,成功と失敗,そしてその原因「なぜ」を深めることが重要なポイントとなります。ぜひ,ここを深める伝え方を工夫して若い人を育てましょう。