「学び合い」や「一人学び」を自然につくることができる,学習形態の工夫について教えてください。
「考える力」を育てることがより重視されるようになっています。
ここでは入門期の子どもたちが「共に学び合う楽しさ」に気づき,すすんで学習に取り組もうとする意欲を生むことと「一人で学ぶ習慣」をつけ,考える力を育てることにつながる学習形態の工夫について考えます。
【答え】
- 「共に学び合う」意識を育てるために,子どもどうしが互いの姿を見合いながら学習できる形態を工夫しましょう。
- 「一人で学ぶ」習慣を育てるために,一人になる形態を工夫しましょう。
【なぜ】
友達が,教師や話し手の顔を見て話を聴いている姿,教師の話にそっとつぶやく姿,発言している姿,書いている姿など,友達の学習に取り組む姿を見ることは,学習に向かう気持ちを触発し合い「自分も頑張ろう」と学ぶ意欲を生むことにつながります。
学級の子どもの中には,教師が育てようとする資質をもち,目標に向かって育っている子どもがいます。その子どもの存在に気づき,共に高め合い育つことが学校教育の目指すところです。ですから,子どもどうしが互いの姿を見ることのできる学習形態が重要だと考えます。
また,常に集団で学習していると,多くの子どもは自分自身が学習者であることに気づかず,終始,教師や友達の話を聴くだけになりがちです。当然,話すこと・聴くこと,考えることも「人任せ・友達任せ」になってしまうのです。
まず,「自分自身が学習者」であることの意識を育てましょう。そのためには,「一人で考え,学習に取り組む形態」を工夫します。そして,繰り返し活動に取り入れることを通して,「一人で考え,学習する」習慣をつけましょう。
【方法】
○共に学び合う形態
学級全員が考え合う学習では,机をコの字型に並べるなど友達どうしで学び合っている姿を見合うことができるような形態を工夫しましょう。
○一人で考え,学習する形態
例えば書く活動では,机を全て窓側や壁側に一列に並べ,一人ずつ窓や壁に向かって書くという一人の環境を作ります。
いずれの形態も一例です。工夫や繰り返し取り組むことで,学習への集中や「考える力」の育成を目ざしましょう。