学年末を迎え,これまでの学習を振り返っています。ワークシートや作品など,今後の学習に役立つまとめ方を教えてください。
【答え】
学習の履歴を「形」にしましょう。ワークシートや作品などを,単元や題材ごとにまとめます。
「読む力」「書く力」がついてきたこの時期だからこそ,形にすることで,自分ができるようになったことを自分の学習の喜びとして実感することができます。
【なぜ】
子どもは日々の学習においてその瞬間には,「できた」と,成就感や達成感を実感しますが,その喜びや学習した内容は,時間が経過すると「なかったこと」になりがちです。
せっかく「学習すればできるようになる」という実感を得ても,目に見えるものではないため,気持ちの継続は難しいのです。
形にしておくといつでも目にふれ,自分もやればできると,できた実感「気持ち」を思い出し,継続することができるのです。
さらに「形」にした学習の履歴を,教師や保護者が「よく頑張ったね」と認め褒めると,子どもは自分に自信をもつことができます。学習することの楽しさを実感し,次の学習にもやってみようかな,頑張ろうかなと意欲をもつことにも結びつきます。
学習の履歴を「形」にすることは,年間を通して取り組むことが望ましいのですが,一年生では,学年のまとめとしてのこの時期に,取り組んだ内容だけでも十分でしょう。
【方法】
学習の履歴は,教科ごとに,単元ごとにまとめます。国語科,図画工作科での取り組みがまとめやすいでしょう。
国語科では,ワークシートや作文など「書いたもの」を単元ごとに一つにまとめ,表紙をつけます。表紙には単元名や自分の名前,まとめた月日を記入します。
文章を書くことのできる喜びと漢字などの書字に慣れてきたこの時期にまとめた学習の履歴は,今後の学習への自信や意欲につながります。
図画工作科の絵画作品は,作品集のようにまとめます。画用紙の作品は画用紙の裏側半分ずつを背中合わせにしながら糊づけをしていくと,屏風のようにまとまります。
画用紙の大きさが不ぞろいの場合には,全体の大きさを決め,他の画用紙を下敷きにするなどして,全体の大きさを揃えてまとめるとよいでしょう。
さらに全体を裏側から画用紙で被い,表紙をつける,リボンで結ぶなど,ひとまとめにすると丈夫で保管もしやすくなります。
作成時には,出来上がりの形を見せる,手順の一つ一つを一人一人ができているかを確認しながら進めるなど,全員が出来上がるように支援します。
丁寧な教師の指導姿勢は,子どもたちに「大切な学習の履歴」であることを伝えます。