保護者の方から「家庭学習では,予習と復習どちらに重点をかけたらよいですか。」と質問されました。
【答え】
復習に重点をおきましょう。
【なぜ】
「予習と復習。どちらが大切ですか。」と質問されると,私は,迷わず復習ですと答えてきました。なぜなら,繰り返し取り組むことで,できなかったこともできるようになるからです。学び始めの入門期には,特に「できた」「わかった」と実感できることが,その後の学習意欲に強く影響します。力をつけるためには「復習」が効果的だと考えるからです。
予習に重点をおいた,残念な例です。
ある熱心なご家庭では「うちの子どもは理解に時間がかかるので,学校の授業だけでは理解できません。家庭で先に教えています。」と主に算数の予習に重点をおいていました。しかし,既習事項が自分の力となっていないうちに新しいことに取り組んでも,結局「教えてもらうこと」が中心です。説明された通りに式や計算をして「答えを出すこと」で満足。授業中も「答え」が合っているかどうかにだけ関心を示し,力をつけることがますます難しくなっていきました。
復習は,新しいことを予め学ぶ予習と違って,すでに学んだことを自分の力にするために繰り返し学習することです。例えば計算。計算の仕方を学習し,繰り返し問題に取り組むことで計算力がついていきます。音読も学習前と後とでは読み方も変わります。繰り返し音読することで,読めるようになっていきます。予習より復習に重点をおくことの大切さを考えさせられました。
更に復習での大事なポイントは「いつ復習するか」です。子どもは時間が経つと学習したことが曖昧になり「よくわからない」と感じ,もう学習したくないと意欲も低下してしまいます。ですから,時間をおかずに復習することが力をつけることになります。今日学習したことを,今日もう一度やってみる「復習」に重点をおきます。
【方法】
具体的には,教科書やノートを見せてお家の方にその日学習したことを「話す」ことから始めましょう。入門期での「話す」ことは,「説明する力」につながります。わかったことやできるようになったことを話すだけでも十分です。その際,質問してもらうと,話す意欲や力をつけることにつながります。保護者会などで具体的に説明して,お願いしましょう。