グループでの活動に取り組みます。学習効果を上げることにつながる指導とはどのようなことですか。
【答え】
一人一人に役割をもたせて活動に取り組みます。
【なぜ】
グループ活動とは,誰かに頼る,任せることではありません。一人一人が考え活動することを基盤に,グループのみんなと共に考え合い,活動をつくることです。一人一人に役割をもたせないと,一部の子どもだけが活動し,他の子どもは座っているだけのお客さんになってしまい,力をつけることのできない「残念なグループ活動」になってしまうからです。
例えば,話し合って何かを決めるとします。
「○○さんが考えるから,自分は何もしなくてもいいかな。」と,自分では考えることなくただ時間が過ぎるのを待っているだけの子ども。黙っていても机の下では手いたずらをしている子ども。中には立ち歩いて他のグループへ行ってしまう子どもなど,グループ活動の基盤ができていない学級では珍しくない姿です。
グループ活動は,友達と共に学ぶ楽しさを実感することができます。学年が進むと友達の考えのよさを自分に取り入れ,考えを見直したりして,自分も友達も共に考えを高めることも実感できます。しかし,ともすると集まってなんとなく過ごすだけの時間になってしまいがちです。
入門期ではまず,一人一人に役割を当てて「自分が考え活動する意識をもたせること」がグループ活動における初めの一歩だと考えます。
【方法】
遠足のグループ四人で遊びを決める話し合いをします。
四人の役割分担例は,発言を順番に当てる司会役。記録用紙の記名を確かめる役。記録用紙を集めて提出する役。話し合って決まったことを発表する役。です。必ず全員に役割をもたせることが重要です。
また,グループでは,自分の考えが言えない子どももいます。全員が言えるようにするには,段階的指導が必要です。まずは隣同士の二人組で話す。次にグループ四人で話す。列の10人で話す。学級半数で話す。そして全員の前で話す。など人数の段階を踏みます。更に椅子だけで座るなど,場の作り方も工夫します。話すのが難しい場合は,書かせることも有効です。