夏休み明け,子どもたちのことも気になりますが自分のことが心配です。体調も悪くなり,教師として仕事を続けることに不安を感じています。
【答え】
本気で「元気サイクルづくり」に取り組み,本来の自分を取り戻しましょう。
【なぜ】・【方法】
教師という仕事は人とのかかわりから成り立つ仕事です。子どもたち,保護者の方々そして同僚。すべてが人です。人とのかかわりで日々の仕事が動いています。大人どうしは,わかり合えるところもあれば,互いの考えを受容し共感していくことが難しいところもあります。思い悩むことも多いでしょう。
まして,子どもは自分のことも十分に表現できるわけではありません。体調が悪くてもうまくは伝えられません。授業中でのつぶやきやつまずきは,それこそ多様です。友達への気づきも十分でなく,入門期は特に自分中心の段階です。指導では常に気が張りつめていることでしょう。
そして,時には,保護者からの心ない一言もあるでしょう。お互いの気持ちの擦れ違いや勘違いで,後日わかり合える場合も多いですが,その瞬間はやはり落ち込みます。
教師の仕事は,人に囲まれ人の温かさにふれ,育てる喜びを味わえる素晴らしい仕事である反面,人とのかかわりゆえに傷つくこともあります。無意識のうちに人を傷つけてしまうこともあります。理不尽と感じたり,釈明できなくて悔しい思いをしたり。
そんな日々が続くと,何もやる気が起こらず食欲もなくなり,毎日がつらくなります。まず,心が折れ睡眠不足になり,その悪循環で体調を崩してしまいます。かつての私がそうでした。日々の学校での出来事が頭から離れず,無意識のうちに常に嫌なことばかりを考えてしまい,その結果落ち込む。暗雲の中から長い時間抜けられないそんな経験をしました。
原因を考えると,仕事上の失敗を自分の人格と重ね,人格を否定されていると思い込んでいたことにありました。
そこから抜け出したのは「脳は腸から生まれた?」というコラムです。脳が楽しいことを考えると腸が元気になり,その結果体全体が健康になる。すると脳はますます前向きによいことを考える。これが元気サイクルです。
うまくいかないことや思うようにならないこと,それは仕事としての内容です。自分自身が否定されたことではありません。「人」と関わる仕事であるために,仕事での悩みが自分の人格を否定されることに直結していませんか。仕事と人格は別物です。教師の仕事はその人の考え方や感性が指導に影響することもあります。しかし,うまくいかない多くの場合は仕事上のものです。
仕事の力は仕事をしながらついていきます。同じ学年を何回経験しても,同じにはなりません。その都度,対象となる子どもは違うからです。何回同じ学年をもっても,失敗や悩みは尽きないものです。
仕事と自分とを分けて考えましょう。自分の楽しみを見つけ楽しみの時間をつくることを重視してください。その楽しさやゆとりが,子どもへのゆとりにつながるのですから。難しいかもしれませんが,何度立ち止まってもよいのです。その都度,「脳と腸」を思い出し,楽しいことを考え本来の自分を取り戻しましょう。