「おむすびころりん」の劇,例年通りを解消する方法を知りたいです。
【答え】
「ころころころがるもの」をテーマにするなど題名から変えましょう。
【なぜ】
学校によっては,「おむすびころりん」など一年生での定番の演目は,観客である2年生以上はすでに経験済みですから,話の展開も会話も知っています。しかも毎年同じものを見ています。定番に取り組むときには,その年独自の内容が求められるのです。学習したことをそのまま演じたのでは発展にはなりません。
考えたいことは,この取り組みによって得られる「満足感」についてです。満足感には二つの種類があると考えます。一つは,自分自身が表現者としてやりきることで得られる満足感。もう一つは,それを称賛されることで得られる満足感です。観てくれた人たちからの拍手は,大きな満足感を与えてくれます。称賛された喜びは,自信や次への意欲につながります。
したがってここで気をつけたいことは,観る側の気持ちも考えることです。例年と変わらなければ,観る側も「ああ,あれね」と先入観と大した期待ももってくれません。拍手は,期待感が満たされた時に大きくなります。したがって,大きな拍手を得て次への力となる発表をするには,例年通りでは不十分なのです。
【方法】
まずは題名から変えてみましょう。「ころころころがるもの,なあに」など,ころがるシリーズをあげてその中から物語につなげていくなど,新鮮な出だしの工夫が必要です。
そして物語の進め方は,テンポを工夫することです。一年生だからといって,常にゆっくりと同じ調子で演じる必要はありません。話の展開や会話のテンポやリズムを変化させると,演じ手も観る側も飽きることがありません。
このように意外と気がつかないのがテンポやリズムです。音楽の表現でもその発達段階に即した速度=テンポがありそれに合わせて歌う,演奏すると力が発揮でき,満足感を実感できます。テンポは大きく表現効果につながります。リズムにのってテンポよく展開する工夫をして,より良い結果に結びつけましょう。