学習発表会では一生懸命発表しても,ざわざわして聴いてもらえないことが多く残念です。
【答え】
舞台上の声が聞こえる工夫をします。
【なぜ】
最後まで聴いてもらうために需要なポイントは,声がよく聞こえることです。
劇などの出し物は,登場人物の声が聞こえて初めて話の展開が伝わります。ですから,声が聞こえないと何を話しているのか,内容が理解できないだけでなく全体の雰囲気も伝わりません。観る側は,子どもたちですから当然のように手持ち無沙汰になり,個々に話したりふざけたりし始め,会場全体がざわざわとしてしまうのです。登場人物の声がよく聞こえることが重要なのです。
しかし,体育館のような広い場所で会場いっぱいに聞こえる声の大きさで話すことは,大人でも訓練が必要です。そして,セリフなど話していることを伝えるためには,言葉の発音も関係します。明確な発音のためには口形を工夫します。
しかし,声を大きくすると発音が曖昧になりがちです。口形に気をつけて発音を重視すると声が小さくなります。一年生の表現では,登場人物全員が生の声で表現するのは難しいと考え,聞こえるための工夫をしましょう。
【方法】
一つは機器を活用します。もう一つは「声を遠くに飛ばす」です。
マイクを使うなど機器を活用します。主人公や重要人物にマイクを使います。また演じ手と話し手を分ける方法があります。舞台上で演じる子どもと,マイクでセリフを話す子どもとに分けて行う方法です。マイクをもってセリフや語りをいう子どもたちが舞台下に並び行います。
生の声で取り組むときには「声を遠くに飛ばす」を合い言葉に,教室での声の出し方とは違うことに気づかせます。すると,声を出す時に少し力を入れ口も大きく開けるようになります。違うと気づくことが大切です。そして言葉は少なく短く,一部の言葉だけにとどめましょう。声の大きさと発音との両方をクリアするのは大変難しいことですから,一言でよいのです。自分でできたことが実感できるようにします。
また,一つのセリフを二人で行うなど,話し手の人数を複数にすることもよいでしょう。しかし無理は禁物です。もともと難しいのですから。そして,できるだけ舞台の前方で演じ,観衆の方に向いて話すように指導します。短い会話だけはこの方法で行い,場面の展開など語りはマイクで行うなども考えられます。いずれの方法でも会場に声が聞こえることを目標にして工夫することが,満足を実感できる結果に結びつきます。