小学校生活
☆コラム 子どもの視点からみた,考えるとは?
「今日は考えたことが楽しかった。」授業後に子どもが私に伝えてくれました。嬉しくなって「次の時間も考える学習をしましょうね。」と自然に返していました。2年生の音楽の鑑賞授業でのことです。
子どもは単に活動の楽しさだけではなく,考えるという内面の活動への欲求をもち,学びの満足を実感する力があることを再認識しました。そして,子どもが「考える」ということをどのように捉えているのかを考えました。
授業は次の通りです。繰り返し楽曲を鑑賞することを通して,気づいたことや感じた曲の気分から,曲名を自分で考えてつけるという学習です。
別項で触れていますが,鑑賞の授業では曲名を決めて作られた標題音楽と,曲名を後からつけた楽曲とがあります。低学年の時はその目標が特に「聴いて楽しむこと」です。そこで,聴いて感じた曲の気分から曲名をつけることで楽しく興味をもって聴くことができると考え取り組んでいました。
さまざまな特徴ある楽器の音色,口ずさみやすい主な旋律そして曲全体の気分など,感じたことを自由に曲名に反映します。どの子どもたちも喜んで取り組み,本当に楽曲が聴こえてくるような曲名が続出しました。もちろん繰り返し聞きながらのことです。
この取り組みは『聴いて→考えて→曲名をつける』という一連の学習の流れですが,この学習全体を「自分で考える学習」と捉えていたのです。考えるとは何かを考えるだけでなく,そこに至る過程の中全てに存在します。子どもの感覚の鋭さに驚きを感じました。
「今日は考えたことが楽しかった。」子どもにとって考えるとはどのようなことか。もっと多面的に深く考えていかなければと強く感じています。