学校再開に向け,学習指導への不安がつのります。今の時期にこそしておくべきことは何か,悩んでいます。
【答え】
教科等横断的な視点にたった資質・能力の育成を基盤に,年間単元指導計画を作成しましょう。
【なぜ】
新型コロナウィルスの影響で,いつから学校が始まるのか見えない日々です。限られた時間の中で子どもたちの資質・能力の育成を図らなければならない状況になってきました。
何が大事か,どのように時間をつくるか,学習内容,方法,時間,空間この4観点を見据えて工夫しカリキュラムを作成します。
今回の改定で,新学習指導要領において学力から資質・能力と言葉が変わりました。このことは,今の事態にとても有効と言える考え方であることに気付いていますか。
これまでは教科は切り口と言われていても,教科ごとの教科書の通りに教えるという指導に取り組む姿が多くみられ,教科ごとの内容だけにとらわれがちの指導が中心でした。
これに代わり,資質・能力は育成する基盤となる内容であり,全教科に共通することであることが明確になってきました。考え方が実践の場にようやく降りてきた感がします。わかりやすくなったと考えます。したがって,この考え方を基盤として今後の指導について時間と内容を整理する,教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成に取り組むことが重要だと考えます。
【方法】
教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成です。学習指導要領を読み込むことは言うまでもありませんが,そのきっかけとしてご自分のこれまでの取り組みを振り返ってみましょう。
無意識のうちに教科等横断の実践をしていませんか。実は私は普段の授業を通して気付かないうちに教科等の横断を実践していました。研究会議の中で実践している取り組みについて質問されたことに答えているときに,「それが今回の教科等の横断ですよ。」とお話を頂きました。決して特別な取り組みではありません。日常的に国語科と音楽科の資質・能力の横断や教科内容の横断の取り組みをしていたのです。ふと,私のような実践は担任の皆さんもおもちではないかと思いました。教科横断等と示されると,大変大きなことのように感じ,自分には難しい内容と構えてしまうのは私だけでしょうか。
まずは,ご自分の実践を振り返ってみてください。きっと思い当たる内容があると思います。それを整理して,年間単元指導計画として形にしてみましょう。何事も形にすることで視覚化,客観的に見ることができ,必ず自分の力となります。今でこそできることでしょう。ぜひやってみてください。