☆コラム 発想の転換で,今を乗り切る。
従来にとらわれない思い切った発想と思考の転換が求められています。
学校は新学習指導要領に基づき,それぞれの学校で子どもや地域等の実態を生かして教育活動に取り組んでいます。しかし日常の学校の在り方は,ずっと以前からの取り組みから大きく外れることはなく,時間のとり方,空間のとり方まで,自分が子どもの頃と変わらない学校の姿があるように感じています。
時代や社会が大きく変容しかも著しい速さでの変化は,子供たちに対する教育としての場である学校の在り方を考える機会ともいえるのです。9月開始等の社会変革のような大きなことは政治や経済との関連があり,難しいところです。
しかし確実に資質・能力をつける指導の在り方は,私たちプロである教師の仕事であり,私たちにしかできないことです。そのためにこれまでの形や誰かが考えた形をまねるのでなく,自分たちの学校の子どもには自分たちで責任をもつ。ごく当たり前のことを意識して,新しい風を発想しましょう。
例えば時程。休み時間は何を目的としてどのように設定されているでしょうか。休み時間,全学年が同じ動きをする必要はないと思いますがどうですか。発達段階や学校における役割により,その時間の置き方や長さも違いがあると思うのです。
例えば1年生と6年生を,1年生は初めての学校生活への慣れや発達段階から考えると,集中できる時間は10分程度です。細かに時間・空間・内容・方法を工夫していくことが入門期指導の鍵となることはいくつもの項で既述の通りです。
それに比べ,6年生の集中力は長くあります。そして学校での中心となる学年として委員会活動があります。当然休み時間の内容や時間にも違いがあるのです。もちろん異学年との交流等縦割りなど学校の柱となるような内容や取り組みがあります。大切な内容ですが,今必要で重要なのは何かを考えて,取り組む内容を決めていきましょう。
それぞれの学年の発達段階に即した時間や空間のとり方の工夫が,発想力として求められているのです。従前の取り組みも踏まえつつ,新しい学校の在り方を探っていきましょう。以下は,一例です。参考になればと思い記述します。
《休み時間の意味と設定の方法》
この際,休み時間の意味についてはこの時期だけのことに焦点化します。外で遊ぶことを通して運動させることが中心であるなら,人数や時間,遊びの内容を工夫します。学年や人数で時間を分ける,学年の発達段階により,設定する時間枠や時間を変える。遊びの空間も校庭や屋上,空き教室等の活用もあるでしょう。以下に例を示します。
1年生中休みは30分程度,初めの15分は校庭で遊びます。後半は水飲みやトイレ,次の学習の準備に当てます。昼休みは教室で過ごします。
6年生中休みは30分程度。初めの15分は委員会活動に当てます。後半は教室等で過ごします。昼休みは校庭での遊びとします。
この取り組みは,固定することなく週ごとの交代なども考えられます。児童数や学校の施設の規模,地域の状況(公園や遊び場が近くにある等)により,工夫の可能性は多々あると考えます。従来の方法にとらわれずに思い切った転換をしましょう。
今の状況を乗り越えるための今年度に限った工夫と,これからのあり方を変えていく長期を見通した工夫か,整理して取り組みましょう。
運動会や音楽会,遠足,社会科見学等校内外の取り組みについても考える必要がありますね。先の見えないことへの取り組みで難しさは誰しも感じています。授業を核に優先順位を整理して取り組みましょう。