1年生を迎える会の準備をしていますが,並び方ひとつとっても指示が通らず,子どもの動きも鈍りがちです。時間ばかりかかって困っています。
【答え】
指示が通らない理由を教師と子どもとの双方から考えます。先の見える指示,わかりやすい指示,子どもの立場に立って考えます。
【なぜ】
①ゴールの姿を指導する先生方で共有していますか
②計画は細かく丁寧に考えられていますか。
先日見かけた指導の一コマです。ひな壇に70名近くの子どもたちを並べています。感染防止のため前後左右を開けて並びます。子どもたちは言われたとおりに4段のひな壇に並びました。しかし,かなり窮屈。いわゆる密の状態です。すると,指導の先生から,「密にならないように。」と声がかかります。しかしながら,もともと窮屈なくらい人数が多いので,密を解消できるはずがありません。高学年ですが子どもにはどうにもなりません。
すると「お願いしているのです。聞こえますか。」と,またも先生からの声。子どもたちは困ってざわつき始めました。当然の姿です。たとえ高学年であっても,一列に何人並べるのかの見通しもなく指示されても,解決は難しいのです。先生の言うことだから聞かなくてはと,子どもたちは何とかしなければと思ったようです。その結果,隣同士で話していて結果的に騒いでいると思われてしまいました。
一方先生は,その場で適宜指示すれば,並べるようになると考えていたそうです。列の人数を決めることや間隔の取り方など具体策が必要なことに気づかないようでした。
困っているのは子どもたちです。先の見えない指示では動きようがありません。
その場で動かしてできるのは数人の場合です。学級や学年など集団での行動では事前に具体的に計画を立てておくこと,指導者同士がその内容を共有していることが指導において重要なのです。
指示は子どもにわかりやすく一文一内容で伝えます。指導者は計画を立てる上でゴールが見えていますから,気づかぬうちに「わかっていること」と内容や言葉を省きがちです。大人でも初めてのことは理解するのに時間がかかります。子どもの立場に立って,相手意識目的意識をもって準備しましょう。
①指示は,子どもにわかりやすく伝えていますか。
②計画は,子どもの立場に立って考えられていますか。
【方法】
一列の人数や前後左右の間隔など具体的な場で事前に調べておきましょう。学年の実態によっては,図に書くなど,視覚化して指導することをお勧めします。言葉だけでの指示は高学年でもわかりにくいものです。