複数の子どもが立ち歩く,勝手に話すなどして,その子どもたちへの指導に追われ学級全体への指導が滞りがちです。どのように指導したらよいか困っています。
【答え】
座席を見直して,席替えをしましょう。入学式のときの座席のままではありませんか。子どもたち一人一人の行動や学習に対する姿勢を考えて,座席を「一緒にする」「分散する」など工夫しましょう。
そして,子どもたちの「よりよい育ちのために席替えをする」という意識をもって取り組みましょう。
【なぜ】
立ち歩く子どもたちの座席はどのようにしていますか。
学習中,学級の友達が一人でも立ち歩いていると,気持ちが散漫します。
ましてや,教室のあちらこちらの席の友達が常に立ち歩くなどしていると,他の子どもたちにまでその空気が伝染し,ひいては学級全体が常に落ち着かない状態になってしまうこともあります。数人だったはずの指導を要する子どもの数が,あっという間に全体に広がり,教師一人では掌握できない学級になってしまうという現実はよくあることです。
入門期は,話を聴く,一定の時間集中して何かを考える,活動するなどの学習をし始めたばかりです。人的・物的両面からの落ち着いた環境づくりを工夫しましょう。
【方法】
立ち歩くことの原因は多様ですが,声をかける,手をかけることがすぐできるように,教師のすぐそばに座席を決めましょう。
そして,その子どもたちの座席を「一緒に」しましょう。教師の「近くにいること」は,より愛されていることを感じ,安心することができます。さらに,常にその子どもたちに目配り,気配りしながら,全体への指導をすることができます。
また,私語の多い子どもが複数いる場合には,座席を「分散」しましょう。落ち着いた子どもたちの中にいることで,自分の姿に気づき少しずつ落ち着いてきます。
私語と言っても,入門期の子どもの私語には,学習や生活の育ちにつながる,「つぶやき」が隠れていることもあります。子どもの声をよく聴いて指導を考えることも大切です。
さらに,定期的に座席を替えるなど,多くの子ども同士が交流できるようにする配慮も必要ですが,問題があると感じたときには,一部分だけの席替えもしましょう。
その際に重要なことは,"よい育ちのための席替え"です。前向きな指導の方向を示すなどして「問題があるから席を替える。」という雰囲気にならないよう十分に配慮しましょう。