小学校生活
児童指導に力を入れて取り組んでいますが,なかなか受容・共感の心が育ちません。
【答え】
子どもの学力も心も授業で育ちます。授業こそ,児童指導の場という意識をもちましょう。
【なぜ】
指導を要する,問題となる状況は一日中どの場面でどのような形で現れるかはわかりません。にもかかわらず,私たちの意識は,休み時間や当番活動など子どもの動きが多くなる場面を想定しがちです。授業とは切り離しているように思え気になります。
なぜなら,子どもの行動や発言での問題点が数多くみられるのは授業中です。一日5・6時間の授業。子どもを一番みられる機会は授業中なのです。しかも休み時間とは違って全員がそろう場面で指導をすることができます。指導の徹底が図れ,全員を育てることができる場なのです。
こんなことがありました。音楽の授業中,初めての教材曲を歌詞で歌っているときのことです。数名の子どもがくすくすと笑いました。すぐ歌を止めて理由を聞きました。歌詞に友達の名前が出てきておもしろいと。歌詞の中に名前が出て来ます。曲の盛り上がりに合わせて使われているので,歌っていると目立ちます。では言われている友達はどのような気持ちかを聴いてみました。最初はいいよなどと言っていましたが,本当にいいの? と問い返すと「何回も言われるのはちょっといやだ。」と。それを聴いていた笑った子どもたちは下を向いてしまいました。
こんな些細なことと思われがちですが,これをきっかけにいじめが始まるといっても過言ではありません。私たちは子どもの幸せをゴールに指導を積み重ねているのです。子どものつぶやきや表情,行動に児童指導は常に存在し,それは授業中にあるという意識をもって指導に取り組みましょう。