写真の活用1:常に教室内がものであふれ,子どもの活動にも影響している教室があります。どのように指導すると改善できるのか悩んでいます。
【答え】
教室環境の改善点に気づくよう,写真を活用します。
【なぜ】
教室も含め,ものや周りの環境への感じ方や整え方には個人差があります。そのため,他の人が課題を感じても,自分ではこれでいいと思っているので困り感もありません。もし子どもがけがをしても,子どもに落ち着きがないから,とか子どもだから仕方ないと思い込み,教室環境が原因であることには気がつきません。自分で気づくことでしか,改善への道は難しいのです。そのためには,客観的に自分の教室を見ることが必要です。
毎日長い時間を過ごし,自分の思いどおりに「整える」ことができる場所だけに,主役が子どもではなく自分になってしまっているのです。そのため環境が整った他の教室と比べる際には「自分にとっての居心地のよさや使いやすさ」を優先してしまい,主観的な見方から離れられないので課題に気がつかないのです。
そこで,客観的に自分を振り返る手立てが必要なのです。それが「写真に撮ること」です。今は本などに美しい写真が多用され「見える化するよさ」が支持を広げていると思われます。教材などでも写真を活用しその効果を実感していることでしょう。写真に撮ることは,自分の教室環境の課題を客観的に振り返ることができる,改善への効果的な方法だと考えます。
【方法】
環境を整えた教室と課題のある教室とを写真に撮り,比較して考えます。違いはどこか,それはなぜかを考えるようにします。そして,教室とは「誰のため」「何をするため」の場であるのかその意味を考え直すようにします。
指導の際は,指導される先生が「責められている」と感じ構えてしまうとやる気を失い,関係も悪くなります。子どもの指導と同じで,その先生の様子をよく観察して,一対一がよいのか複数か,指導の体制を工夫しましょう。また,複数の教室の写真を比べることで,自分の教室の改善へとつなげるなど,指導される側への配慮も必要だと考えます。