小学校生活
何かを決めるとき,ついじゃんけんで決めてしまいます。どのような方法が適切でしょうか。
【答え】
適切な方法は,「話し合い」です。話し合うことを通して,相手を受け入れる心や認め合う心,譲り合う心,そして我慢する心が育ちます。育てたい心や力は,互いの立場を理解し合うことの大切さです。
物事を決めるときは,「話し合いで決める」という姿勢を育てましょう。「話し合い」の意味と,じゃんけんの無為を指導しましょう。
【方法】
はじめは,教師主導で話し合いを進めますが,少しずつ子どもたちで話し合うことができるように教師の関わりを考えましょう。
話し合いでは,順番に話すなど,互いの思いが十分表出できるよう配慮しましょう。ただし,入門期の子どもは,そのときには自分の思いに固執しますが,次の日には忘れて気が変わることもあります。あまり突き詰めた話し合いではなく,互いに譲り合うなど温かい雰囲気で「話し合って決めることのよさを味わう経験を積ませる」くらいの気持ちで指導に当たりましょう。
(1) 順番に話させること
(2) 相手の話を最後まで聴かせること
(3) 十分表現できないときは,教師が言葉を補うなど,理解し合えるよう支援すること
(4) わがままか,意見なのかを整理すること
(5) 「譲り合う」「我慢する」などの言葉を使って指導すること
(6) 互いに納得できたかを確認すること
じゃんけんで決めている学級を見かけますが,じゃんけんは一見平等なようで実は単なる偶然であり,互いの気持ちの理解もないまま結論が出るため,気持ちにしこりが残ります。
小さい子どもだから大丈夫だろう,などと侮ってはいけません。小さい子どもだからこそ,互いを理解し合う細やかな心を育てる教師の気づきが,入門期の指導にとって重要なのです。