子どもたちは,すぐトイレに行きたがります。いつどのように行かせたらよいのでしょうか。
【答え】
「いつ」「どのように行くのか」時間と行き方の約束を決めましょう。
教師から声をかける場合,初めのうちは,20分に1回,慣れてきたら30分に1回など,活動の区切りごとに声をかけましょう。また,活動中に子どもが「トイレに行きたい」と言ってきた場合は,基本的には行かせましょう。ただし本当にトイレに行く必要性があるのか,子どもの様子などから判断することが大切です。
【なぜ】
入門期の子どもが,集中できる時間は10分程度ですが,あまり短い時間で声をかけるのは学習の妨げになります。活動の区切りのよいところで声をかけましょう。トイレに行くことは,自然の生理現象です。といっても,行ってよい時間や行き方の約束を決めておかないと「いつでも行ってよい」雰囲気が生まれ,放っておくとけじめのない生活習慣として身についてしまいます。
なぜなら,子どもにとってトイレに行く時間は,魅力的な時間だからです。隣の教室をのぞいてみたり,友達とおしゃべりしたり。ですから「トイレがすんだらすぐ席に戻ること」「この時間はトイレに行くだけの時間」ということを意識できるよう指導しましょう。
【方法】
まず,朝の登校後や1時間目の学習が始まる前など入門期の日課表に沿って,トイレに行く時間を示しておきましょう。また,トイレの時間を休み時間にしないために教師の立ち位置などを工夫します。
子どもたちがトイレに行くときは,廊下と教室の両方を見渡せる場所で指導しましょう。そして,学習中にトイレに行きたくなったときは,必ず教師に断ってから行く,戻ってきたときも教師に声をかけるなどの約束をつくりましょう。
入学して数日経つと,学習中にも関わらず黙って教室から出て行く子どもがいます。たいがいの場合は,トイレに行っているのですが,中には廊下でふらふらしている子どももいます。天災や火災などは,いつ起こるかわからないことであり,常に教師に居場所を知らせていくことが集団生活では重要であることを指導しましょう。「みんながどこにいるのかわからないと助けられないのです」と具体的に話して重要性を伝えましょう。危機管理上重要なことです。
きちんと指導することから「けじめ」を意識できるようになります。子どもは「よいこと,いけないこと」の区別を意外と知っていて,教師の価値判断を見ているのです。こんなところからも教師への信頼が培われます。