提出物を出し忘れる子どもがいます。全員から確実に提出物を集める工夫を教えてください。
【答え】
提出物を入れる箱と実物とのセットで準備しましょう。そして,必ず,名簿で確認し,未提出の子どもには声をかけ「一緒にランドセルの中を探す先生」になりましょう。「持ってきた?」「忘れたの?」と声がけしただけでは,提出物は集まりません。
【なぜ】
入門期の子どもには,提出物の名称や形状を理解することはできません。「○○を出してね」と声をかけられても,それが何を指すものなのかわかりません。ですから,持っていても提出できない子どももいます。
実物を見せることがいちばんわかりやすい方法です。その際,教師が手に持って見せていても,子どもの目線からは距離があります。子どもにとって認識しやすいのは,対象物が身近にあることなのです。提出する場所に実物があれば,自分で確認することができるのです。
【方法】
提出物が複数あるときは,面倒でも集める分のセット(実物と箱)を用意します。「これとこれは一緒の箱に入れて」と,大人は考えても「兼ねること」は,子どもにとって難しいことです。複数の書類が重なり合っていると,自分の持っているものと対応させることができないからです。
提出物は,保護者からの返事であり個人情報です。集めたらすぐ名簿で確認しましょう。また,ランドセルの中にしまっていて,自分が持っていることを認識していない子どももいます。保護者が子どもに伝えずに入れているときもあります。
「未提出」イコール「忘れた」と考えず,まずは,一緒に探しましょう。自分のものを一緒に探してくれる先生に,子どもは親近感を覚え信頼を感じます。
忘れた子どもには,「明日持ってきてね」と実物を見せて声をかけましょう。保護者の方に連絡する場合は,まず,その提出物を受け取っているかを確認してから,未提出であることを伝えましょう。子どもが渡していない場合もあるからです。
また,記入漏れもあると思います。教師には見慣れた書類も,保護者の方には初めて見るものもあります。内容がよく理解できないこともあります。未記入の原因への配慮を忘れずに,記入のお願いをしたいものです。