最近,下校時の寄り道が目立ってきました。きまりを守る感覚を育てるには,どのような指導が必要ですか。
【答え】
登下校のきまりは,自分の命を守る大切な約束であり,『必ず守る』という意識を育てましょう。
【なぜ】
危険なことへの実感がわきにくく,危機意識ももっていないのが子どもです。
危険なことが起きても自分は大丈夫とも思っています。ですから,近道や寄り道をするのです。また,帰宅せずに,そのまま友達の家に遊びに行ってしまう例も少なくありません。学校からいったん帰宅する意味を理解していないからです。
どのように危険であり,どのようなことが自分の身に起こるかもしれないという事例を具体的に示し,回避の方法も具体的に指導しましょう。
ただし,いたずらに不安を煽ることのないよう,配慮して指導しましょう。
【方法】
登下校では通学路を通ること。学校からは帰宅してから遊びに行くこと。この二つを指導しましょう。
通学路は安全な道であることを知らせます。「通学路は,皆さんが安全に歩くために考え決めている道です。車の通りが少なく,信号や横断歩道もあり安全な道です。」
この一つ目の指導はよくおこなわれていると考えます。次の指導が特に大切です。
「もし何か危険なことが起きた時,先生方やおうちの方は,通学路を通って探しに行きます。ですから,通学路を通っていれば早く探すことができますが,違う道を通っていると探すのに時間がかかります。探せないかもしれません。また,地震があった場合も同じように通学路を探しに行きます。必ず通学路を通って帰りましょう。」
また,必ず帰宅してから遊びに行くことを指導しましょう。
「学校から帰宅しないでそのまま遊びに行ってしまうと,皆さんがどこにいるのか先生やお家の人にはわかりません。ですから困ったことが起きても,探すことができないのです。必ず一度お家に帰ってから,遊びに行きましょう。」
「約束を守ること」への意識は,学年が進むと緩んできます。低学年のうちに「必ず守ること」として指導しておくことが重要です。
約束を守ることの意味と,守らないことは危険であることを繰り返し指導しましょう。