学校生活の時間枠について,子どもにわかりやすく指導する方法を知りたいです。
【答え】
学校生活での「時間の仲間」を知らせ「時間を守る」ことを指導しましょう。
【なぜ】
学校生活は,時間枠で構成されています。就学前に幼稚園や保育園などで時間を意識した生活を体験してきた子どもたちは,時間枠の生活に慣れていますが,家庭だけで過ごしてきた子どもにとっては,初めての経験です。
そして,その時間にはいくつもの種類(子どもたちにわかりやすいように「仲間」としています。)があります。学習をする時間,トイレに行く時間,休み時間,給食を食べる時間,掃除をする時間,朝の会や帰りの会の時間など,多種多様な時間との組み合わせです。
社会や集団は,時間で人や物が動いています。まずは,時間ごとに内容の変わる生活に慣れることを見守りながら,「時間を守れる子ども」を目ざして指導を重ねます。
【方法】
まず,一つ一つの時間は「何のために」「どのようなことをするのか」,「時間の仲間」の内容を指導します。言葉だけで説明するのではなく,実際の時間の中で指導を重ねていくことが大切です。
「給食の時間」を例に考えてみましょう。
子どもたちは,給食の時間とは「食べるだけ」だと思っています。ですから,配膳・食事・片付けを体験した後で「給食の時間は食べるだけではありません。準備,片付けもみんなでするのですよ。」と今まさに体験したばかりの「時」をとらえて指導に取り組みます。なぜなら,子どもは,言葉での説明という抽象では,内容をイメージすることができません。体験という具体を通すことで,理解することができるのです。学習と同じです。
次に「時間を守る」指導です。社会生活は,時間を守ることが基盤です。「時計の針が7で帰ってきましょう。」など,時間の約束をして遊ばせますが,時に約束した時間に教室に戻ってこない子どももいます。そんな時は,時間を守ることは自分の命をも守ることであることなど,単に時間を守りなさいという指導ではなく,時間の内容に応じてその意味を再度全員に指導することが,入門期での指導の重要なカギとなります。できなかったことは,学級の子どもたち全員が学ぶ絶好の機会ととらえ,逃さず指導に取り組みましょう。
友達と仲良く遊ぶことも,給食を食べることも,生活の習慣もそのすべてが,学習と深いつながりをもつのが入門期の指導の特徴といえるでしょう。だからこそ,指導者が時間を守ることの大切さを意識して指導に取り組むことが大切だと考えます。