「先生,これやって」「先生,トイレ」などと,かけてくる言葉が友達言葉です。一瞬,一年生だからと思うときもありますが,このままでよいのでしょうか。
【答え】
先生はお友達ではありません。学校で教えることは何かを意識して指導しましょう。
【なぜ】
いうまでもなく学校は学力をつける場であり,社会の一員であることを学ぶ場でもあります。
大人と子どもとの違いや社会の規範などを,学校という場で先生や友達と学ぶのです。幼稚園や保育園でも先生と接してきましたが,発達段階から考えてまだお友達感覚も許されていたでしょう。しかし,学校では育てるべき資質や学力があります。そのためには厳しいようですが,先生はお友達ではいられないのです。
なかには友達のように接することが子どもから親しみを感じてもらえると考えている方もあるようですが,違います。先生と子どもとの関係は,親しみから信頼へと深まることが重要なのです。親しみだけでは指導はできません。真剣に真摯な態度で子どもに向き合う指導とは厳しいものです。いけないことはいけないと正すこと,決まり事として約束を守ること,学力をつけること,そのためには,乗り越えるハードルは高さも長さも多様です。
親しみだけではハードルを乗り越える気持ちも力もつきません。乗り越えることができるという厳しさや力がなければ,子どもを安心させることはできません。時には厳しく時にはあたたかく,毅然とした態度で向き合う,それが指導です。人間は鏡だと感じています。先生の向き合う姿勢その姿は,そのまま子どもに反映されます。お友達にはお友達として接してきます。指導に対する子どもの受け止め方が違ってしまうのです。親しみだけでは指導はできないのです。子どもが社会の一員として育つために,お友達とは違うことを指導することは重要なことです。
【方法】
指導は「その都度」が大切です。指導の今を捉えて指導することで理解し,力をつけることができます。ですから子どもがお友達のように接してきたその瞬間に,言葉使いや態度などを指導しましょう。
気をつけたいのは,威圧的にならないことです。横柄な言葉や態度は本末転倒です。子どもにとっての鏡であることを十分意識して取り組みましょう。