授業中でも生活の場でも話が終わらないうちに,子どもたちが勝手に話し始めます。常にざわざわした状態が続き困っています。
【答え】
「話を最後まで聴くこと」と「他を受け入れること」の両輪で指導します。
【なぜ】・【方法】
なぜざわついているのでしょう。それは,一つには「話を最後まで聴く習慣」がついていないからです。もう一つは「他を受け入れる育ち」が十分でないからです。
まず,話を最後まで聴く習慣がついていないと子どもたちは,話を聞きかじり思い込みでつぶやき始めます。思い込みですから,当然指導の意図とは違い,力をつけることはできません。すると,教師はまた同じことを話すので,またかと子どもたちはさらに聴くことをしなくなります。わかっているから聴く必要はないと思い込んでいるのです。話の途中で勝手に話し出すなど,常にざわついて指導は徹底しません。
この日々が積み重なると日常の指導だけでなく,授業にも大きく影響していきます。「何を」「どのようにするのか」話の全てを聴くことで,その内容を理解することができるのです。最後まで聴く習慣をつけることは,大切な指導なのです。
次に「聴くこと」は,他を「受け入れること」です(既述の項「あたたかなききかた やさしいはなしかた」で述べています。参考にしてください)。
「他を受け入れること」への育ちが十分でないと,自分以外の人への気づきが未発達なため,自己中心的な行動をしてしまいます。一年生によく見られる姿です。この指導を見逃してしまうと,今後あらゆる場面で力をつけていくことが難しくなります。
相手の話を最後まで聴くことは相手を受け入れることです。この時期にこそ「他の人と一緒に生活している」ことを生活や学習のさまざまな場面で気づけるように支援します。受け入れる意識が育ち,他の人の話を聴くようになっていきます。最後まで聴くことと他を受け入れることの両輪で指導することが大切なのです。
教師や友達など人の話を聴くことは学習の充実を図り,人間関係を築くことにつながる重要な指導です。「聴くこと」なくして学力の向上は望めないのです。「聴くことは受け入れること」の重要性を意識して指導しましょう。