座る位置や場所を提示しても,提示した場所に座ることができません。表示を見て並ぶのは一年生には無理なのでしょうか。
【答え】
子どもの目線やものの見方に気づいて,表示の向きを工夫しましょう。
【なぜ】
子どもは自分を中心として物事を認識します。自分を中心に置いて左右を見ているのです。前後左右を転換して位置を認識することは難しいのです。
先日5年生の子どもたちが学習の場を準備している場面を見かけました。黒板には丁寧に椅子の数や物の位置などが書き込まれ指示されています。子どもたちだけで準備していましたが何だか騒がしい。よくみると,提示された図を巡ってもめています。内容はと聞いていると,全体から左右を確認して並べている子どもと,自分を中心に左右を決めている子どもとがいます。どのように並べるのか図を見て迷っているのです。図の見方がわかる子どもとわからない子どもとがいるのです。
このように,5年生ですらわからない子どももいます。ましてや一年生では難しいのです。この場面が一年生だとしたら,喧嘩が始まるでしょう。そして,次からはこのような活動をするのを嫌がるでしょう。
気になるのはここからです。これが個人での取り組みでは,どのようになるでしょう。例えば,プリントでの問題に取り組みます。一人での取り組みです。見え方がわからないと解決できません。理解できていないのではなく,見方がわからないだけなのです。意外と気づかずに自作プリントでこのようなことが行われているのです。
見方やとらえ方は,発達段階により違いがあります。何を育てるのか何の力をつけるのかを明確にして,その力がつくように学習プリント等を作成することが大切なのです。
子どもは「どのように見ているのか」「子どもはどのように捉えているのか」を常に意識して理解しておくことが重要なのです。小さなことに気づくことが大きな成長という結果を出すことにつながります。
【方法】
子どもから見た向きで,表記します。
はじめは,できるだけ情報量を少なく,少しずつ情報量を増やして見取る力をつけていきましょう。