立って音読するや鉛筆を正しく持って字を書くなど,「正しい姿勢」を指導していますが,「立つ・座る」の姿勢がきちんとなりません。
【答え】
まず「自分の足で立つ」意識を指導しましょう。座る姿勢は意外と難しいものです。まずは立つから始めます
【なぜ】
教室に入った瞬間「学習している」と感じる空気は,子どもたちの姿勢からです。正しい姿勢は,脳の働きに直結していることは周知のとおりです。
しかし,最近は椅子につかまる,壁に寄りかかる,そんな立ち姿の子どもが目立ちます。また座っている姿はというと,両足を体にひきつけ,つま先・足の指だけを床につけて前のめりになり背中を丸めています。
正しい姿勢とはどのような状態なのか,姿勢と意味合いとを知らないのです。
例えば,音読や発言,歌うなどみんなに聴こえる大きさの声を出す時には,息をしっかり大きく吸います。おへそと胸の間を広げると,より多く息を吸うことができます。おなかと胸の間を広げるためには両足を開き,おなかを引っ込めて胸を張ります。このように書くと難しそうですが,簡単です。自分の足でしっかり立てばよいだけのことなのです。両足を肩幅に広げ,胸を張り,足の裏を床に(地球)に踏ん張るイメージです。椅子に手をかけて立つとおなかと胸の幅が狭まり,息を十分に吸うことができないのです。
しっかり息を吸い気持ちよく声が出せたら歌うことも楽しくなります。友達に聴こえる声の大きさで音読できたら,自信がもてます。こんな些細なことが学習効果に大きく影響するのです。立つことや座ることは,日常生活との関わりで身についてきています。まずは,正しく立つ姿勢を指導しましょう。
自分の足で立つ意識が育ってくると,座る姿勢も自然にできるようになってきます。なぜなら,座るときも「足」がポイントになるからです。両足の裏を床につけて座ることを指導します。椅子の背もたれに寄りかかっていては,足の裏が床に着きません。少し前よりに座ることになり,背中にも意識が向くようになってきます。まずは「床に足の裏をつけて座る」を意識づけましょう。
子どもによっては,机や椅子の高さが身体に合っていないこともあります。一人一人に対応する気持ちで見直すことが大切です。「立つ」「座る」ことと自分の体との関わりへの知識や意識は低いと感じています。自分の足で立つことに気づかせましょう。「並ぶ」に通じる基本的な姿勢は,学習効果に大きく影響することを再認識して指導したいと考えます。