入学式の次の日から,指導することがわかりません。何を指導すればよいのですか。
【答え】
並び方を指導しましょう。教師にとって,危機管理上重要なことです。子どもにとっては,自分の並ぶ順番は前後の友達との関係で成り立つので,順番を覚えたり教え合ったりする中で,友達関係が育まれます。
【なぜ】
まず,子どもたちの安全確認のためです。危機管理上,校内,校外に関わらず,常に子どもたちが全員揃っているのかを把握しておくことが必要です。ですから,教室から移動するなどの際は,必ず人数確認をしましょう。特に,入門期の子どもは,すぐ「迷子」になります。興味のあることが見えるとそちらに行ってしまう,ぼんやりしている間に前の子どもを見失うなど,日常的にある行動です。
学習場所への移動や避難,身体測定,朝会など,学校生活では並んで行動する場面が多くあります。並ぶことの意味や大切さを繰り返し指導しましょう。
【方法】
並び方は,その目的によって2・3通りを指導しておきます。
まずは,基本の並び方を指導しておくことが大切です。例えば,学習場所の移動など背の高さの順番に二列に並ぶこととします。特別な場合を除いて,「いつも背の順に並ぶ」など,子どもたちと約束しておくことを忘れないようにしましょう。並べるときは,教師が先頭の子どもの前に立って並べましょう。誰と並ぶかを固定しておくことが,危機管理上において大切なことです。「欠席の友達のところは空けて,いつも同じ友達と並ぶ」ことを約束として決め,守るように指導しましょう。また,子どもたちに自分の前後,隣の友達の顔や名前を覚えるよう指導しておきましょう。
「並びっこ」などと,遊びの感覚で何回も練習しておくと,並び方が身についてきます。繰り返し日常的に行うと効果的です。子どもは,すぐに忘れるので。
初めのうちは,迷う子や何回練習しても自分の場所がわからない子どももいます。並ばない子どもに「何回やっても覚えないのね」などと言ってはいけません。一人一人の力には違いがあるのです。そんな場合は,その子どもにも繰り返し教えながら,その子の隣の子どもや前後の子どもに「並ぶとき教えてあげてね」と,声をかけておきましょう。並ぶことを通して,互いに交流が生まれ友達関係がつくられていきます。