早い時期に指導しておいたほうがよい「約束」とはどのようなことですか。具体的に教えてください。
【答え】
「順番を守る」ことを指導しましょう。
【なぜ】
入門期の子どもは,何でも自分が一番先で自分のことだけを見て欲しいと思っています。友達が話していても,それを遮って自分が先生の近くに行こうとしたり,話をしようとしたりします。先生と自分という個の関係です。集団の一員としての意識はまだありません。
順番を守ることを指導しないと,いつも先生のそばに行かれる子どもが固定化し,全員に心を配ることが難しくなります。何か聴いて欲しいことがあっても,そばに行かれない子どもができてしまい,子どもたちの心に不満や不信が生まれます。安心して学級にいられなくなります。
学級経営で大切なことは,先生は全員のことを大切に思っていますよということを態度や言葉で伝え続けることです。
「先生は一人ひとりみんなのお話を聴きたいのです。だから"順番"に聴きます。そして順番に応えます。」一人ひとりに応えていくことが学級集団をつくる基なのです。
学級の誰もが大切にされ,互いに認め合い思いやる心を育てることが基盤であり,平等とは一律にそこそこの愛情が注がれることではないと考えます。
先生が全力で向き合い愛することが,子どもと先生との心を結び,子どもたち同士の心をも紡ぐのです。
【方法】
合い言葉は「順番」。
入門期は生活面・学習面どちらの約束も習慣化することが指導の重点です。常に先生も子どもたち同士も「順番ね。」と声を掛け合うことを意識し,習慣化を図りましょう。
もし「自分が」と友達を遮った時でも指導して順番を守ることができたときには,「守れたね。」など褒めましょう。
順番を守る必要性や体験を学んでこなかった子どもにとっては,順番を守るために我慢をする時です。繰り返し指導を重ね,できるようになったときは,少しの成長でも認めましょう。
他の約束も守ろうとする意欲にもつながります。