入門期の宿題の必要性や内容,取り組みの方法が分からず悩んでいます。
【答え】
入門期には,学習習慣を育てる方法の一つとして考えましょう。
【なぜ】
宿題に対する考えは様々あると思いますが,入門期には,学習習慣を育てるための方法として考え,実践してきました。
なぜなら,話を聴くことも,読むことも,字を書くことも,考えることも,学習の取り組みの基盤は「一人でじっくり取り組む」ことです。にもかかわらず,数分さえじっとしていないのが,子どもです。ですから入門期にこそ一人で何かに集中して取り組む習慣をつけることが重要だと考えます。
入学したら字が書ける,読める,計算ができるなど何かができることに目が向きがちです。しかし学習そのものに取り組むためには,一人で集中する力が基盤となるのです。
【方法】
実際の取り組みは保護者の方にお願いすることになります。必要性を説明し,ご理解とご協力をお願いしましょう。
まずは「一人で短い時間,机の前に座っている習慣」をつけることから始めます。
時間は30分間ぐらいが適当ですが,まとめて30分でも,15分を2回でもよいでしょう。一人ひとりの実態に即して決めます。
宿題の内容は,「その日の学校での出来事を話す」や「教科書を見ながらその日の学習を振り返る」など,誰にでも取り組みやすい身近な内容を取り上げます。30分間座っていることがねらいですから,内容は簡単なことがよいのです。
この取り組みで重要なポイントは,「対話」です。聴き手がいてこそ,話す意欲や意味があるのです。
できれば,話し手も聴き手も「座って」取り組みます。聴き手が動き回っているなど「ながら」で聴くのでは話し手の子どもは,「聴いてくれているのかな。」と意欲が低下し,十分な効果は期待できません。
「じっと座る習慣をつける」ことがねらいなのです。ですから,話し手と聴き手が座って向き合う気持ちをもつだけで,子どもは話す喜びを感じ,もっと話したくなるのです。いろいろな意味で多忙な世の中であり,家族の環境も違って難しいこともあるかと思いますが,入門期の時期にこそ,学習習慣をつけることが生涯にわたり学習の基盤となるという重要さを保護者の方々にも理解していただくことが,この取り組みでは重要なのです。
宿題をしたかどうかの確認は,保護者の方の負担にならないよう宿題カードなどを工夫し,先生からは「ありがとうございます。」と返信するなど,一緒に取り組んでいただいていることへの感謝を忘れないことが大切だと考えます。
☆宿題内容の例は,次回でも掲載致します。