入学式から2か月。目の前の指導に追われる毎日です。この時期にしておくことが知りたいです。
【答え】
入学式からここまでの学級の約束など,入門期の指導の定着状況を把握し,学級経営を再考します。
【なぜ】
学級経営の方針は,年度初めに一年間を見通して計画します。入門期では,特に「聴く力」をつけることを核にして取り組みますが,指導の方法における基盤は子どもの実態です。子どもをよく知ることが重要です。
なぜなら,子どもの実態に即した方法を工夫することが指導の鍵となるからです。
しかし,入門期は,入学前の子どもの実態を把握する情報が少なく,中には幼稚園などから指導要録の写しを送ってくださるところもありますが,十分とは言えません。
さらに,入門期の子どもは成長が著しく,それぞれの子どもの実態を把握しながら学級としての集団の状況を把握することは,大変難しいと感じています。入学からここまでの2か月余りで,子どもの様子が日々変化していると感じませんか。
このように,入門期は,子どもの実態がよくわからないまま学級経営方針を決め,約束をつくり実践している場合も多く,「手探り」で学級経営をしているとも言えます。ですから,この時期に指導の方法を見直すことが,今後の指導のためにも必要なのです。
【方法】
見直しの方法は,聴く力と生活での約束との両輪で見直すとよいでしょう。
聴く力の習慣が図られていますか。
生活での約束は一日の流れの中から振り返るとわかりやすくなります。
ここでは,いくつかの例を挙げてみます。
- 時間を守って行動していますか。
朝の時間や休み時間,約束した時間に座れていますか。 - ランドセルの置き方,ロッカーの中の入れ方は大丈夫ですか。
- お道具箱の中の整理は習慣化されていますか。
片付けタイムをもつなど,曜日や時間を決めて取り組みます。 - 連絡帳は書いていますか。
1教科ずつ行を変えるよう指導すると,見やすくわかりやすくなります。子どもは次々続けて書いてしまい,自分でも読めなくなります。定期的に目を通して指導します。
☆片付けられない子どもはいませんか。
床に荷物が散らばっている,机の中があふれてものが入らない,そんな子どもはいませんか。片付け方を知らないのです。一斉指導していても子どもは一人一人理解力も習慣も違うため,一回の指導では定着しません。これはどの学習でもそうですね。
先生が一緒に片付けて,片付け方を教えましょう。
使っていないものや,家から持ってきたおもちゃなども入っていることがあります。学校で使うものと使わないものとを教えます。
時間のかかる指導ですから,繰り返し定期的に指導するようにしていきましょう。
教科外の指導の重要性
~入門期の指導内容について見直します。~
指導が教科の学習のみに偏っていませんか。入門期の指導は,特に教科外の指導が多く,それらは教科でつけたい力につながる重要な内容です。にもかかわらず,教科の学習のみに偏って指導をしていることは,残念な指導と言わざるを得ません。
基盤となる聴く力は,教科の中だけの指導でないことは十分わかっていただけていると考えます。特に入門期での指導を逃すと,後から力をつけることは難しくなります。
入門期特有の指導内容は,その全てが,思考力,判断力,表現力につながります。もう一度,入門期に指導しておく内容を見直し,指導を充実させましょう。