小学校生活
自分の指導に自信がもてなくなって悩んでいます。指導の意図があり,座席を決めるなど多くのことは教師主導で決めてきましたが,子どもに不評です。もっと子どもに任せたらと言われます。間違っているのでしょうか。
【答え】
間違っていませんよ。一年生の指導では,教師主導が主です。
教師主導とは,教師の考えを押しつけることではなく,考え方を示すという意味です。子どもに任せることについて,座席替えを例に次の項目で記述します。
【なぜ】
例えば座席は,指導の充実に重要なことで,教師が決めてきたのは当然です。入門期の指導は,これから始まる学校生活でつけていく力の基盤となる内容が多く,まだ既習の内容が少ない子どもたちにとって考える基は多くはありません。ですから,教師が多くのことを決めて進めます。
決めるというのは,押しつけるという意味ではありません。考え方を示すという意味です。なぜなら,子どもたちは,教師の示したことから「何のために」「何を」「どのように考え」「どのように進めていくのか」その考え方を学ぶからです。
そして,取り組む過程で,そこでの問題や課題を知り,その解決方法までも学ぶのです。取り組みには必ず「もめごと」も生じます。何でも自分が一番になりたいと思っている一年生。未分化で自分しか見えず周りの状況や友達への配慮などはありません。それが一年生です。
このように一年生の指導が教師主導である意味は,子どもたちに学び方や考え方を育てることなのです。
【方法】
この時期になると,子どもたちはぐんと力をつけ育ってきていると思われます。さまざまな場面で,「みんなはどうしたい?」と問いかけてみましょう。子どもたちは,これまでの学びから少しずつ考えを出していくことでしょう。もちろん学級目標に基づく,学級での約束など基盤となる考え方からずれないように指導することが肝心です。
気をつけたいことは,子どもに阿(おもね)たり,放任したりすることのないように,指導しているという意識をもって取り組みましょう。