小学校生活
入学して2か月が過ぎましたが,未だに幼稚園での約束事を固執して,学級での約束事がうまく機能しません。
【答え】
学校という場と新しい集団をつくっていくことの意味を指導します。
【なぜ】
6月に入ると子どもたちは学級になじみ,新しい仲間づくりを始めます。今までの仲間から少し成長した価値観で仲間をつくっていきます。
子どもは新しいものへの興味や関心が高く,あまり前の環境を引きずることは少ないのですが,中には就学前の集団での生活や仲間を引きずり,その生活に固執する子どももいます。同じ幼稚園や保育園からの仲間が同じ学級に多くいると,環境が変わったことへの意識が薄くそれまでの集団の延長のような気分でいます。順応しにくいというよりは,就学前の環境そのままで生活しているのです。また逆に,環境の変化を受け入れることへの戸惑いを感じて,前の集団でのことに固執する場合もあります。子どもの心情を理解しながら,今の学級の仲間で新しい生活をつくっていく大切さを指導しましょう。
【方法】
このような状況での学級づくりは困難とも思えますが,こんな時こそ毅然として学校での新しい生活をつくっていこうとリーダーシップをとるべきです。
まずは,就学前の友達や生活での約束を認めましょう。教師に認められると子どもは安心するからです。そのうえで,例えば次のように「学校とは,友達とは」の意味を指導してみてはどうでしょうか。
『幼稚園や保育園も楽しかったね。そこでの約束も大切でいいことをたくさん学んだね。でも,学校は学習することが中心の生活です。これまで友達は仲よく遊ぶだけでした。でも,学校は遊ぶことと共に,一緒に学習して力をつけていく仲間です。幼稚園や保育園での友達も大切にしながら,学校でも新しい友達をつくりましょう。そして,楽しく学習したり生活したりできるように,この学級での約束をみんなで考えてつくりましょう。』