眼龍義治先生の和楽器講座
1.楽器について
2.箏の歴史
3.調弦
4.楽譜
5.演奏の準備
6.基本的な奏法
7.演奏さあ弾いてみよう!
8.箏 エトセトラ
第2回三味線
第3回和太鼓
第4回篠笛
第5回尺八
第6回合奏を楽しもう
         
  箏の材料  
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  箏の胴は桐の木が主で,山の南斜面のものよりも,北斜面の物の方がよいとされます。なぜなら,北斜面で育った桐は成長が遅いので木目が詰まっているからです。   胴以外の各部分には花梨(かりん),紫檀(したん),紅木,象牙(プラスチックで代用),金属等が使われています。  
   
 
         
  調弦のために用いる「柱」(じ)は象牙またはプラスチックが使われています。   弦(糸)は,本来は絹糸ですが,今日ではテトロンが一般的に使われています。  
     
         
  箏ができるまで  
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胴の木目には,「板目」「柾目」の二種類があります。
板目のものが一般的です。
柾目のものは原木がよほど太くないと作れませんので高価なものになります。
また,木目が渦巻き型になっているものがありますが,これは大変珍しいもので特に「玉杢」(たまもく)と呼んでいます。
長さは約180cmで,幅は竜頭部分が約25cm,竜尾部分が約23cmで中央部がやや膨らんでいます。
厚さは竜頭部分が約5cm,竜尾部分が約4cmになっています。胴全体は弓なりに湾曲しています。
これは弦の張力に対する強度を高めるためです。
柾目 板目 玉杢
 
         
  胴の内部を箱状にくり抜き,裏板を張りますが,その方法には「ベタ付け」(並甲)と「トメ付け」(くり甲)があります。
くり甲は表板と裏板の継ぎ目がほとんどわかりません。
  胴の内側には6本の「ハリ板」が張られ強度を高めています。
また,裏板の両端には音穴が2個所開けられています。(音穴は糸締めのためにも使われる)。
 
 
   
         
  胴全体は焼きコテで焼き上げ,さらに磨きをかけて,あの美しい桐の木の肌合いを出します。
最近は化学薬品で処理したものもあります。

  竜角,雲角,竜舌,四分六(しぶろく),柏葉(かしわば)尾絹(おぎぬ),心座,脚等を取り付けて完成します。