第5回 AIを使ってみよう!
前回は、AIを安全に使うために大切なことを見てきました。
AIはとても便利で、私たちの生活を助けてくれる道具です。最近では、みなさんも、AIに課題のやり方を聞いたり、考えるヒントをもらったり、相談をしたりすることが増えてきているかもしれません。ときにはおしゃべりをすることもあるでしょう。AIはとても上手に話してくれるので、まるで人のように感じることもあります。
今回は、AIと上手につき合うために、大切なことを考えてみましょう。
AIは「心がある」ように見える
AIは、「すごいね」「いい考えだね」「大丈夫だよ」と、やさしい言葉をたくさん使います。そのため、AIには心があって、あなたのことをわかってくれているように感じてしまうかもしれません。
でも、AIには本当の気持ちはありません。うれしいとも、悲しいとも、さびしいとも感じていないのです。AIは、そういう言葉を返すように作られているのです。
例えば、ゲームの中のキャラクターが「がんばったね!」と言ってくれることがありますが、それもあなたを本当に知っているからではなく、そういう言葉を出すように作られているからです。AIも同じしくみで話しています。
なぜ人はAIに心があるように感じてしまうの?
人間の脳は、話しかけてくるものや、動くものに「心がある」と感じやすくできています。
例えば、ぬいぐるみやロボットに話しかけたくなったり、名前をつけたりしたことがある人もいるでしょう。これは、人がとても大切にしてきた力です。昔の人たちは、動物や仲間の動きをすばやく見分けることで、危険から逃げたり、助け合ったりして生きのびてきました。そのため、「反応してくるもの」「こちらを見てくるもの」を、生きている大切な存在だと思うしくみが、私たちの中にあるのです。
でも、この力はAIに対して使うと、まちがいが起きることがあります。AIは人のように話し、質問に答え、気持ちがわかっているような言い方をしますが、実際には感じたり、考えたりしているわけではありません。たくさんの言葉のデータをもとに、「それらしく」答えているだけなのです。
だから、AIを人と同じように思ってしまうと、本当の姿を見まちがえてしまうことがあるのです。
ほめてくれるだけの存在の危険
AIは、あなたの言うことをあまり否定しません。まちがいに気づいていても、そう言わないことがあるのです。「いいですね」「そのままで大丈夫ですよ」と言ってくれます。それはやさしいからではなく、そう答えるように作られているからです。
例えば、あなたが作文をAIに見せたとします。AIはきっと「とてもいいですね!」と言うでしょう。
でも先生なら、「ここをもう少しわかりやすくしよう」「この表現はちがうかもしれないね」と言うかもしれません。どちらが、あなたを成長させてくれるでしょうか。本当にあなたのことを大切に思っている人は、ときにあなたとちがう意見を言います。親、きょうだい、友だち、先生は、あなたがもっとよくなれると信じているから、「それはちがうよ」「もう少し考えてみよう」と言ってくれるのです。
もし、だれかが、あなたの言うことを何でもほめて、まちがいを教えず、考え直すきっかけもくれないとしたら、それは、あなたを本当に大切にしていることにはなりません。
考えてみよう!
AIと話して「うれしかったこと」「ちょっとあやしいと思ったこと」を思い出してみよう。それを友だちや家族と話してみよう。
AIを上手に使うためのルール
AIはとても便利な道具です。
でも、あなたの心の友だちではありません。大事なことは、AIではなく人に相談すること。AIの答えをそのまま信じないこと。そして、自分で考える時間をなくさないことです。
AIは、調べたり、考えるヒントをくれたりする道具ですが、どう思うか、どう決めるかは、いつもあなた自身が決めるのです。だから、判断する力、決める力はますます大切になってきます。
心の居場所は人のあいだに
AIは、あなたを気持ちよくしてくれる言葉をたくさんくれます。
でも、あなたのことを本当に心配したり、成長を願ったりすることはできません。あなたのことを大切に思ってくれるのは、周りにいる人たちです。ときに厳しいことを言う人こそ、あなたのことを本気で考えてくれている人です。
AIはすばらしい道具ですが、心の居場所は人のあいだにあります。それを忘れずに、AIと上手につき合っていきましょう。
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