小学校国語
もう一度古典を読もう
「漢文」は外国語である(しかも文語文)
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●はじめに●
あまたの高校生を悩ませてきた(いる)漢文。それもそのはず、教科名こそ「国語」ですが、元を正せば漢文は外国語です。「漢文」の「漢」は中国の王朝名で中国のことですから、「英文」「仏文」などと同じような言葉です。
「漢文」が伝わってきた初めのうち、日本人は、漢文を外国語(漢の国の言葉)として読んでいました。
ニン ウェイ ジ コウ ウー ジ ニウ ホウ(寧為鶏口無為牛後) = 白文
これは漢和辞典に載る現代の音で示したものですが、日本語とは発音も文法も語彙も全く異なりますから、中国語がわからない人にとっては、これではまさしく「
「中国語がわかる=文字が読める・使える」「中国語が苦手=文字が読めない・使えない」ですから、当時、文字はごく少数の知識人のものでしかありえませんでした。
「外国語は性に合わないけど、なんか文字って便利かも」というわけで、日本人の先祖は、それぞれの漢字を、外来語として原音に近い日本語の発音で読んだり(「山」を「サン」と読む)、日本語の意味にあたる訓で読んだり(「山」を「やま」と読む)しました。「漢字」を、表音文字にも表意文字にも使ったわけで、万葉集の歌を見ると、それがよくわかります(「漢文の読み方 訓読」の注に例を掲げました)。
さらに時代が過ぎ、漢字を漢字として用いるのはもちろん、漢字から片仮名(「奈」の初めの二画から「ナ」)、平仮名(「奈」の草書体から「な」)をつくり出すなど、人々は工夫を重ねました。