小学校国語
言葉のてびき
教育出版株式会社 編集局
Q2
「友達」か「友だち」か
「ともだち」という語は,本来は,「私たち」「君たち」「男たち」などの語と同じように,「とも」という語に複数の人を表す接尾語の「たち」が結びついた語だが,現在では,単数であるか複数であるかに関係なく用いられており,「ともだちたち」という語も使われている。したがって,「ともだち」という語は,「とも」+「たち」(接尾語)と考えるよりも,「ともだち」で一語であり,「友人」と同義で用いられているようである。
「ともだち」という語は,戦前の国語辞典ではすべて「友達」という見出しで扱われていたが,昭和23年に告示された「当用漢字音訓表(とうようかんじおんくんひょう)」において,「達」に「タチ」という音が認められなかったために,教科書や公用文においては「友だち」と表記されるようになった。
しかし,昭和48年に告示された「当用漢字音訓表」の付表,昭和56年に告示された「常用漢字表(じょうようかんじひょう)」の付表に「友達」が加えられ,現在では,「ともだち」は「友達」と表記することになっている。これは,恐らく,前述のように「友達」の「達」の接尾語としての機能が薄らいで,「友人」と同義で扱われることが多くなったためであろう。しかし,「友たち」「私たち」「君たち」「男たち」の「たち」のように,「複数の人を表す」という本来の接尾語の意味を失っていない「~たち」は,平仮名で書くほうがよいだろう。
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