第2話 消費税の計算(2)
かずき「もっと速く消費税を計算する方法があるの?」
お母さん「お母さんだけの特別な方法!」
まどか「何,教えて!」
お母さん「レジでお金をはらうとき,店員の人がおつりの出し方ができるだけ楽なほうが助かるかな,って思ってね。しはらいが943円のときに,1000円札を出すよりも,財布の中にもし3円があれば,1003円出してあげれば,おつりは60円でしょ。57円より60円のほうが店員さんも出しやすいじゃない」
まどか「わたしもときどき考える。財布の中に小銭でいっぱいになることも防げるよね」
かずき「でも,どうすれば速く消費税が出せるの?」
お母さん「5%っていうのがミソなのよ。いい?お母さんはこうするの。かずきは今日,960円のものを買おうとしたのよね」
かずき「うん」
お母さん「960円の半分はいくら?」
かずき「それくらいならすぐ出るよ。480円!」
お母さん「その10分の1は?」
かずき「それもだいじょうぶだよ。48円」
お母さん「それが消費税!」
かずき「えっ?あっ,本当だ!」
お母さん「定価を半分にして,それを10分の1にするの。これ,お母さんの消費税計算法!」
--まどかもかずきも目を丸くしている。
かずき「すごい,お母さん。これなら速い!しかもかんたん」
お母さん「ところで,かずき。1008円なら1000円では足りないじゃない。どうしたの?」
かずき「そう,それなんだけどさ。この前10円玉を拾ってカバンの中に入れていたのを思い出したんだよ。もしそれでも足りなかったらどうしよう,ってドキドキしていたら,1008円。セーフだよ。本当にドキドキした」
お父さん「本当にギリギリだな」
--考えこんでいるまどか。
まどか「何でお母さんのやり方で求められるんだろう...」
--次の日の朝,いつもより少し早く起きてきたまどかが大声でお母さんを呼んだ。
まどか「お母さん。わかったよ!何でお母さんのやり方でいいのか」
かずき「教えて,教えて」
--冷ぞう庫にはりつけてあるホワイトボードをつかって説明しだすまどか。
まどか「いい?5%ってことは,100分の5倍ってことだったでしょ」
まどか「だから,『半分にしてそれを10分の1』でいいんだよ」
かずき「ふーん」
--笑っているお母さん。
お父さん「まどかも中学生らしくなったな」
--まどかの笑顔がちょっぴりはにかんだ。