第18話 世の中便利に・・・!?(2)
--しばらくして...,
かずき「わかったよ,お母さん。バーコードの仕組みが!」
お母さん「ずいぶんと時間がかかったわね」
かずき「調べていくうちに,けっこう面白くなってさ」
お母さん「へぇー,それは調べた甲斐(かい)があったわね」
かずき「えへん!聞いてよ,お母さん。商品についているバーコードは,4つの意味に分けられるんだ」
お母さん「ふーん」
かずき「バーコードの下にある数字を見てるとわかるんだ。1つめはつくった国の名前,2つめはつくった会社の名前,3つめはその商品の名前をあらわしているんだ。その数字に合わせてバーを書いてあるんだ」
お母さん「へぇー,そうだったの!」
かずき「だから,このバーコードを見ればどこの国の何という会社の商品,というのがたちどころにわかってしまう,ってなわけさ。ちなみに,国名は決まっていて,日本は49か45,アメリカやカナダなら0から9,フランスは30から37,イギリスは50,韓国は880なんだって」
お母さん「そう,ヨン様のグッズで880なら本場韓国のものなのね」
まどか「ま,そういうこと!」
お母さん「電話番号に似ているわね...。すごい,かずき!ご立派!でも,最後の数字は何なの?」
かずき「よくぞ聞いてくれました!この最後の数字こそ,秘密の数字で......,ただ,いまひとつぼくも実はわかっていないんだけどね。お姉ちゃん,ちょっと助けてよ」
まどか「かずきったら,ここまではかっこよかったのになぁ...。実は最後の数字はね,意味のない数字なの。でも,ないと困る数字,って言ったらいいのかな」
お母さん「意味はないけど,ないと困る,数字?」
まどか「お店では,機械でピッ,とバーコードを読み取るでしょ?でも,それって,あんまり一瞬(いっしゅん)のことで,それがちゃんと読み取れているかどうか,実は心配でしょ?」<
お母さん「そう,そうなのよ。あんな一瞬の動作で,本当にちゃんとやってくれているのかしら,ってよく思うわ」
まどか「そう,それを調べるための数字なの」<
お母さん「どう言うこと?」
まどか「例えばね。この(図2)バーコードの数字を並べてみるね。」
図2
まどか「この数字を前から,奇数(きすう)ばんめのものと偶数ばんめのものに分けてみるわね。ただし,いちばん最後の数字は除く,ということを忘れないでね。」
奇数ばんめのの数字(最後の数字は除く)
偶数ばんめのの数字
機械は,ピッ,といった瞬間(しゅんかん)に次のような計算をしちゃうの。
すごいでしょ?」
お母さん「すごい!頭いいわねぇ」
かずき「そりゃあ,デジタル信号だもん。あっという間だよ」
まどか「何,知ったかぶりしてんのよ...。それでね,その答えって,商品によってみんなちがってきちゃうじゃない?」
お母さん「そうねぇ。バーコードは物によってみんなちがうものねぇ」
かずき「そこでね」
まどか「おっ,かずき。このあと,説明できる?」
かずき「うん,やってみる。わかんなくなっちゃったら手伝ってね。この答えが,いつもある『きまり』をもつようになっていたら便利なんだよ。その『きまり』をもつ数字ならばしっかりと読み取っているし,そうならなければ読み取っていない,ということにしておけば,わかりやすいでしょ?」
お母さん「なるほど!」
かずき「その『きまり』をつくるための数字が,実はバーコードの最後の数字なんだ。この数字は,①の式の答えが『必ず10の倍数になる』ようにするための数字なんだ。いい?お母さん。 バーコードの数字4901480507231を使って①の式を計算すると...。
109にあといくつ足せば10の倍数になる?」
お母さん「1よね」
かずき「だから最後の数字は1になっているんだ」
お母さん「すごい!これはおどろいたわ」
まどか「私もびっくりしたの。それで,私の持ち物についているバーコードでも試してみたの。やっぱり必ず10の倍数になるのよ!」
かずき「すごいでしょ!」
お母さん「すごい,すごい。見直したわ,かずき」