第12話 四国県勢,大活躍!(1)
お母さん「暑いわね,まったく。年々暑くなっていく気がするわね」
まどか「地球温暖化って,本当みたいね」
お母さん「かずきはどうしたの?」
まどか「この暑いのに,テレビにかじりついているわ。高校野球が好きなのよ,かずきは」
--リビングに目をやると,麦茶片手にかずきがテレビに見入っている。
お母さん「かずき,暑くないの?」
かずき「アツいのは,甲子園(こうしえん)だよ。9回ワン・アウトまで3点差で負けていた 玉野光南高校(岡山)が同点スリーランで追いついたんだ。 それで,今,サヨナラ勝ちのチャンスで...。あっ,やった...勝った!勝ったよ。逆転勝ちだ。奇跡的(きせきてき)だよ!!」
--興奮気味のかずき。
お母さん「かずきには,暑さは関係ないわね」
かずき「そりゃ,そうさ。ぼくも絶対甲子園行くんだからね。期待しててね!」
まどか「ホント,期待しているわ!」
かずき「でも,今年は西日本勢の方が強いんだって。特に四国の学校は,まだ負けてないんだ。4校とも勝ち進んでいるんだ」
まどか「四国って,野球がさかんなんでしょ。何とか王国とか言われていたもんね」
かずき「ぼくも,四国の学校に進学しようかな」
お母さん「がんばってね。かずきが甲子園に出たら,お母さん,横断幕つくってあげるからね。お母さんもインタビューされるかしら。やだわ,はずかしい...」
--半分あきれ顔のまどか。
まどか「でも,四国の学校が4校とも勝ち進むことって,そんなにめずらしいことなのかしら」
かずき「アナウンサーもそう言ってたよ。これまであまりなかったこと,だって」
まどか「ベスト4がすべて四国県勢,なんてことだと,すごいかもね」
かずき「それって,どのくらいめずらしいことなのかな」
--何気なくつぶやくかずき。
お母さん「よく,何とか率とか言うわよね。起こりやすさを数字で表すことがあるじゃない。宝くじの当たる確率,とかのように」
かずき「ある,ある!そうだよ,その確率ってやつだよ」
まどか「降水確率,当選確率,合格の確率,恋愛の実る確率...」
かずき「お姉ちゃん,ちょっと,それ出してみてよ!」
まどか「そんなに簡単に言わないでよ」
お母さん「そうね。あなた,どうせ毎日ヒマそうにしてるから,ちょうどいいかもね」
まどか「えーっ。ちょっと待ってよ。それって,私が考えるの!?」
かずき「よろしくぅ!」
--2人の熱い視線を感じるまどか。
まどか「わ,わかったわよ。やればいいんでしょ。でも,どうすればいいんだろう...」
--部屋に入ったまどか。
まどか「そうは言ったものの,そんなに簡単にできるかなぁ...。まずは情報検索(けんさく)だな。インターネットでっ,と」
--コンピュータに向かうまどか。