朝の時間をどのように使っていますか。朝会や集会など,決まっている日以外は何となく時間が過ぎています。どのように活用できますか。
【答え】
季節や行事にちなんだ歌を歌う,読書をする,スピーチをするなどつけたい力の日常化に活用しましょう。
【なぜ】
学力をつける場面は,授業中だけとは限りません。日常化は,つけたい力を広げる,高めるために活用していきたい習慣です。わずかな時間でも習慣化して取り組むと,1回15分として週2回35週と計算すると,一年間で17,5時間になります。活用しない手はありません。
また,この隙間の時間ともいうべきわずかな時間を活用すると,もう一つよいことがあります。分断された時間の間を楽しいことで埋めることにより,一日の時間の流れが自然なリズムを生み出すことです。無駄な時間が無くなり,学級の生活そのものが生き生きします。
【方法】
◎例1)本を読む。本に触れる。
学校全体で朝読書に取り組んでいる学校もあります。ひらがなやカタカナ,漢字が読めるようになってきた入門期の子どもにとって,本を読む時間は読める喜び,本に親しむ楽しさを味わうことのできる素晴らしい時間です。どんな本を読んだらよいのか,まだまだわからない子どもも多くいます。教師が選択してすすめるのもよいでしょう。どんな本を読むかはNo.33を参照してください。
そして,純粋に読む楽しさを味わうことを大切にして取り組みましょう。「本を読むことは感想を書くこと」などということに陥らないようにしたいものです。
◎例2)歌を歌う。⇒(No.56を参照してください)
◎例3)お話ごっこを楽しむ
国語科「話すこと」の学習と連動させ,その時期につけたい力を指導しましょう。「したことや見たことは何?その時の気持ちは?」「話すことは二つ。」と話す項目数を約束すると話しやすくなります。
例えば,一つめは「海で泳いだこと」。二つめは「初めて泳いで楽しかった」などと,いくつ話すと何が伝わるのか目ざすとところがわかり,話しやすくなります。また,朝の会の進め方(No.20)のように,話し手と聞き手のみんなが対話をしながら進める方法も対話を楽しみながら話すことの楽しさを味わいながら力をつけることにつながります。次の対話は例です。
みんな「夏休みで楽しかったことはなあに?」
話し手「海で一人で泳いだこと」
みんな「泳いだときどんな気持ちだった?」
話し手「波が怖かったけど楽しかった。」
みんな「楽しくてよかったね。」
慣れてきたらクイズ形式で,話したいことのお題当て「お題はなあに」をするのも楽しみながら話す力をつけることのできる方法です。話したいことは何か,そのことが伝わったのかが,話す力と聴く力の両方を育てるのに有効な方法です。