Q1 日本の島の総数は?
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「島国日本」といいますが,そもそも島というのは,どのような定義に基づいているのでしょう。まず,それを調べてみることにしましょう。
「自然地理的には周囲を水圏(海,湖沼など)によって完全に囲まれ,本土mainland(大陸または主島)に比して相対的に狭小な陸地をいう。したがって,島と本土とは元来相対的関係にすぎず,両者を区別する合理的な差異はない。ただ,社会的慣習として,世界的にはオーストラリアより大きい陸地を大陸と呼び,グリーンランドより小さい陸地を島と呼んでいるにすぎない。また同様に日本国内では四国より大きい陸地を本土,択捉島より小さい陸地を一般に島とよんでいる。さらに,どのくらい小さな岩礁までを島と呼ぶかも定かではない(『世界大百科事典』平凡社刊より)」と百科事典にはあります。
また,国連海洋法条約「第121条島の制度」では,「島とは,自然に形成された陸地であって,水に囲まれ,高潮時においても水面上にあるものをいう」となっています。
その他,『地理学辞典(改訂版)』(二宮書店)には,「大陸的規模を持たない陸塊を島という。ユーラシア・アフリカ・北アメリカ・南アメリカ・南極・オーストラリア各大陸以外のすべての陸塊が島である。(中略)日本には数千の島があるが,国土地理院発行の5万分の1地形図(北方領土を含まず)に記載されている島(岩礁を含む)は 4,345である。(中略)日本では本州・北海道・九州・四国は,必ずしも島といわない習慣がある。・・・・」と記載されています。
どの資料においても,島の定義,表現には苦労のあとが見えますね。いいかえると,明確な規定はないということなのでしょうか。
では,問題の日本の島の数についてですが,まず,『第60回:日本統計年鑑(平成23年)』(総務庁統計局)をひもといてみましょう。
「第1章国土・気象,1-1 国土構成島数,面積及び周囲」によると,島の数は 6,852ということになっています。
ここでいう「構成島数,周囲」は「海上保安庁が2万5千分の1海図を基準として,海上の岸線0.1キロメートル以上の島について,昭和61年(歯舞群島,色丹島,国後島及び択捉島は昭和44年)に調査したものである」ということなのだそうです(なお,岸線〔がんせん〕とは海岸線のことであり,その規定は海上保安庁によると「海岸線については,年間を通してほぼ最高潮位面,砂浜においては,高潮痕〔こうちょうこん〕の位置」とのこと)。これらが日本における島の定義かと思い,あらためて海上保安庁水路部に尋ねたところ,「ひとつの基準にすぎない」とのことでした。
このほか,いろいろ調べてみると,341(面積1平方キロメートル以上の島の数:国土地理院)や,314(*離島振興法などで指定された離島で,かつ有人の島の数:財団法人日本離島センター)などという数字も出てきました。
結局,さまざまな機関に問い合わせをしてみましたが,日本においても「島の定義」は明確化されていないようで,それぞれ,ある一定の基準を定めて算出するにとどまっているのですね。しかしながら,「6,852」という数字は,一つの基準とされているようで,「そのような質問にはこの数字で答えている」という解答もいくつかの機関でいただきました。
現在のところ,日本における島の数は?と尋ねられたら,約 6,800あまりとするのが妥当なところでしょうか。
地域 | 構成島数 |
全国 | 6,852 |
北海道 | 509 |
本州 | 3,194 |
四国 | 626 |
九州 | 2,160 |
沖縄 | 363 |